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リオで干物業立ち上げ=ブジオスの町おこし狙い

アジやサバなどの干物を手にする鈴木夫妻、ブルーナ社長、現場責任者のシルバーナさん、社長の夫のギリェルメさん

アジやサバなどの干物を手にする鈴木夫妻、ブルーナ社長、現場責任者のシルバーナさん、社長の夫のギリェルメさん

 NPO法人「地球の心・日本」の代表を務める元ブラジル移民の伊藤修さんらが、リオ州ブジオス市の漁港振興や雇用の創出を狙い、同地で干物産業を始動させた。
 「地球の心・日本」は、環境や生態系を守る持続可能な農業形態「アグロエコロジー」を実践・普及を図る団体。伊藤さんは、水銀汚染問題を通じて知り合った同市の会社経営者と検討し、町おこしとして干物産業に目を付けた。
 同氏曰くブジオスでは「アジ、サバ、イナダ、サヨリなど日本と同じ魚が豊富に水揚げされる」という。こうした獲れたての魚介類を現地で干物にし、ブラジル各地への流通を図るべく、長女のブルーナさんを社長とする「ノーヴァ・ブジオス・ジャパン」(NOVA BUZIOS JAPAN)を立ち上げた。
 干物の製造はまだテスト段階だが、鈴木祐介(32、神奈川)、知佳(ちか、30、和歌山)夫妻が加工作業に取り掛かっている。二人は知人の紹介で伊藤さんと知り合い、同事業のため約5年前から干物業を勉強してきた。今回は11月まで滞在し、その後、本格移住する。
 8月24日に来社したブルーナ社長らは、「ブラジルの日本食はこれまで生魚が主流だった。リオやサンパウロに干物を流通させたい。まずは食べ方を提案し、正しい知識を広めたい」と抱負を語った。
 伊藤さんも「肉と一緒にシュラスコで焼いて食べてほしい。継続した事業となるよう、地元の漁業組合た支援者と協力していきたい」と意気込んだ。
 同社は輸出入業者「ノーヴァ・アマゾン・ジャパン」(NOVA AMAZON JAPAN、本社=サンパウロ州ボア・エスペランサ・ド・スール)などから資金援助を受ける。29日には地元フェイラで干物をはさんだサンドイッチを販売し、地元で理解を広めた。