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エジウソンに詐欺参加疑惑=宝くじの賞金横取り計画で

 2002年の日韓開催サッカーW杯のセレソンの優勝メンバーで、Jリーグの柏レイソルでも活躍したエジウソンが、宝くじ詐欺事件に関与した容疑で取調べを受けている。
 10日、連邦警察は、連邦貯蓄銀行(CAIXA)の主催する宝くじで不正があったとし、5人を逮捕、8人の身柄を一時拘束、22人を警察へ強制連行した上、家宅捜査や物件押収など、計54件の司法令状を履行した。捜査規模は大きく、サンパウロ州、首都ブラジリアのある連邦直轄区、ゴイアス州、セルジッペ州、バイア州、パラナ州に及んだ。
 この不正は、実際に当選した人でなく、CAIXAの役員や顧客が、当選者が引き換えし損なった賞金を横取りするというもので、連邦警察では、今回の捜査の対象となったグループは少なくとも6千万レアルの当選金を横取りしていたと見ている。
 ブラジルの場合、これらのくじには90日間の引き換え期間がもうけられ、期日が8日以内に迫ると催促通知が行われることになっている。期日までに引き換えられなかった賞金は、政府の学生融資基金(Fies)に回されることになっているが、これが狙われたこととなる。
 エジウソンはこの件で、CAIXAの役員たちにこの横領計画に参加するよう勧め、偽の当選券を持ってきた人に賞金を払いだす役目を負わせていたと見られている。エジウソンはこの容疑を否定をしているが、彼の従兄弟がこの件の主犯者のひとりとして逮捕されている。エジウソンにも当初、逮捕令状が出される予定だったが、裁判所が「捜査対象」として切り替えていた。
 エジウソンは167センチの小柄ながら類まれなスピードを持つフォワードとして知られ、93、94年にパルメイラスの全国選手権2連覇、2000年のコリンチャンスのクラブ世界一に貢献。96~97年、2002~03年にはJリーグの柏レイソルにも所属し、短期間ながら数多くのゴールを記録。〃褐色の弾丸〃の愛称でも知られていた。2002年には日韓W杯のセレソンにも選出され、4試合に出場している。
 だが、現役時代から周囲とのトラブルの多い選手としても知られ、03年には「ブラジルでの事業の都合」と称し、Jリーグ開幕直前に柏レイソルを突如退団するなどしている。また、昨年は元夫人の家族への慰謝料不払いで逮捕もされている。(10日付フォーリャ紙サイトなどより)