サンパウロ市ブタンタン区で7日、バイクを盗んだ2人組を軍警が射殺し、偽の報告書を提出していた事が判明し、関係した軍警ら15人に逮捕状が出たと12~14日付伯字紙やサイトが報じた。
事件当日、第23大隊と第16大隊所属の軍警達は、盗んだバイクに二人乗りして走行中の強盗を見つけて追跡したが、二人がばらばらに逃げたため、各々を取り押さえようとしたところ、銃撃戦となり、容疑者達を射殺したとの報告書を提出していた。
だが、殺人課が入手したビデオによると、殺害された容疑者の一人は、投降後に手錠をかけられたが、その後に手錠を外され、3人の軍警によって塀の裏側に連れて行かれ、撃たれた。同じビデオには、軍警が警察車両の中から取り出した拳銃を遺体に握らせようとする様子も映っていた。
民家に逃げ込んだ容疑者も、軍警らと銃撃戦となり、撃たれて死亡と報告されていたが、ビデオでは、屋根の上で軍警に手錠をかけられた後に突き落とされ、その直後に銃声が2回轟いている。
殺人課が入手した最初のビデオを見た州検察局は11日に軍警5人の逮捕状を請求。その後に別の容疑者殺害のビデオが公開され、13日に更に10人が逮捕された。
同件の捜査は軍警監察局が行うが、担当者は、誰が発砲したかを明らかにする事だけでは不十分で、一緒にいた軍警達が偽装工作に加担し、偽の報告書作成を見逃した事も重視すべきとして、関係者全員を逮捕して捜査を進めている。
サンパウロ市では上半期、勤務中の軍警や市警によって殺された人が昨年同期比6・5%増の179人いた。サンパウロ州では9・8%増の358人で、通常の殺人事件が減る中、異例の伸び率となっている。
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