18日より、世界的に有名なロック・フェスティバル「ロック・イン・リオ」が2年ぶり(通算6度目)に開催される。今年は開催30周年を迎える記念すべき年でもある。
そうしたこともあり、毎度の事ながら今回も話題性は強い。開催7日間のチケットは発売4日で全て売り切れ。地元リオの大手TV局、グローボのニュース・サイト「G1」でも、開催1週間前位からかなり目立つサイト展開を行い、「ロック・イン・リオ」を今から盛り上げるようとの気概に溢れている。
ただ、その一方、リオのライバル都市、サンパウロのメディアは、今回の同フェスに対し、やや皮肉まじりの見解を伝えている。
同市の代表的新聞エスタード紙は16日付文化面で、同フェス主催者のロベルト・メジーナ氏の談話を交えながら「ロック・イン・リオ」の特集を行ったが、見出しには「サウダージ」の文字が並んでいる。というのも、今回出演する目玉アーティストのうち、13組は過去の同フェスにも出演しているからだ。
第1回の1985年版に出演したクイーンやロッド・スチュワートが今回の目玉のひとつなのは、「記念行事」的なことではあるが、隔年開催で2回前(4年前)に出たばかりのリアーナ、ケイティ・ペリー、エルトン・ジョン、システム・オブ・ア・ダウンらがまた戻って来たことや、メタリカの出演が11、13、15年とレギュラー化していることなどを批判的なニュアンスで同紙は伝えている。
メジーナ氏はこれに関し、「私は客のことを優先的に考えるんだ。メタリカを入れれば客が入るじゃないか」と答えている。同発言は「メイン・ステージで目玉アーティストがやっているときに、会場に設営した遊園施設の前に長蛇の列が並ぶなんて普通のことだ」という同氏の発言と共に紙面中に目立つように抜き出しされて書かれている。
また、同紙のジャーナリスト、ペドロ・アントゥネス氏は、「ロック・イン・リオ」とサンパウロで毎年開催されているロック・フェス「ロラパルーザ」との比較を行っている。それによると、ロラパルーザは若いバンドの出演が多く、草の根的にそれらのバンドが将来のメイン出演者になるような道筋を作り上げているが、「ロック~」は既に人気と実績があるアーティストを最優先しているとしている。
またアントゥネス氏は「ロック・イン・リオの出演者のリピート傾向は短、中期的には効果的かもしれない」が「危険な道のり」と、厳しい口調で文章を締めている。もう一人のジャーナリストの記事も「会場は昔と同じ歌で盛り上がることになる」で終わっている。
「ロック・イン・リオ」の日程は以下のとおりで、この模様はムウチショウ局で連日生放送される。
・18日(金)クイーン+アダム・ランバート、ワンリパブリックほか
・19日(土)メタリカ、モトリー・クルーほか
・20日(日)ロッド・スチュワート、エルトン・ジョンほか
・24日(木)システム・オブ・ア・ダウン、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジほか
・25日(金)スリップノット、フェイス・ノー・モアほか
・26日(土)リアーナ、サム・スミスほか
・27日(日)ケイティ・ペリー、a―haほか