大手牛丼チェーン店の「すき家」が、先月からラーメンの取り扱いを始めた。1杯13レからという低価格を実現。11月末までにサンパウロ市の全店舗で提供する予定だ。日本のメニューには無い商品で、話題を呼んでいる。
すき家を展開するゼンショー社グループにラーメンチェーンがあり、そこからノウハウを得て実現した。麺は配合や太さを指定しブラジル内で発注。チャーシューは肩ロースを使い、同じくブラジル内の自社工場で加工している。
すでに8月20日にサンタクルーズ店が、そして9月15日にパライーゾ店がラーメンの提供を開始した。種類は4つで前述の醤油(13レ)、チャーシューメン(17レ)、坦坦ラーメン(15レ)、ねぎラーメン(15レ)。
この価格帯について取締役の藤原美明さんは、「東洋街の専門店では手頃な値段でお客様に受け入れられている。すき家でもこれくらいの価格なら満足していただけるかと思い設定した」と語った。
またラーメンに挑戦した理由として、「日本人の国民食を考えた時、牛丼、カレーと来てラーメンは外せなかった」。醤油味が基本だが今後のメニュー拡大については、「出てからのお楽しみ」と答えた。
パライーゾ店でラーメンを食べた寺本将人さん(50)は、「日本と変わらない価格帯で嬉しい。それに東洋街のラーメン屋だと待たないといけないが、すき家は出てくるのが早くて良い」と満足を見せた。
すき家はサンパウロ市を中心に11店舗構えており、来年3月には15店舗まで増やす予定。
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牛丼網店のすき家が始めたラーメン。記者も16日午後1時半ごろパライーゾ店に行き、醤油ラーメンを注文してみた。客席は半分ほど埋まり8割が非日系。同店関係者によれば、非日系が注文するのはチャーシューメンが圧倒的に多いそうだ。そういえば、カンポ・グランデの郷土料理・沖縄ソバにもたっぷり牛肉が乗っているものがある。国民食シュラスコを誇るお国柄だけに、ラーメンの上にチャーシューといわず、ずばり「ピッカーニャ」を載せてみたら?