18日より、ブラジルを代表するロック・フェスティバル「ロック・イン・リオ」がはじまり、連日のように大観衆を迎えてのショーが行われているが、手ごたえは今ひとつという状態が続いている。
18日付当サイトでも報じたように、サンパウロのエスタード紙は今回のロック・イン・リオを「同じアーティストのリピート出演」と批判していたが、同じくサンパウロの大手紙フォーリャ紙の18日付に至っては、「ピオール(ワースト)」と批判している。
同フェスは発売わずか4日で全ての入場券が売り切れ、連日、ムウチショウ・チャンネルで生中継されている。エスタード、フォーリャ両紙のサイトや、地元リオのテレビ大手グローボ局のサイト「G1」は随時、速報で公演の模様を流している。ただ、そこから浮かび上がってくる言葉で会心のものが少ないのは気がかりだ。
ここまで3日を終えて好評を博しているのは、亡くなったフレディ・マーキュリーに代わって若手歌手のアダム・ランバートが代役をつとめているクイーンと、同じくイギリスの大ベテラン、エルトン・ジョン、大ベテランの前座的立場ながら健闘したイギリスのロイヤル・ブラッド、フランスのゴジラといった駆け出しバンドくらいだ。特にクイーンは亡くなったフレディの生前時のステージでの雄姿をモニターで見せ、代表曲で合唱が相次ぐなど、30年前の第1回ロック・イン・リオで最大の人気となったパフォーマンスを思い出させる内容だった。G1の「ここまでで誰が良かったか」の投票でも約3分の1が彼らの名前をあげていた。
だが、その一方、2日目のトリのメタリカの演奏中に音が突然消えて演奏が中止になり、復旧までメンバーが袖に下がる事態が生じたり、3日目のメイン・ステージでのSEALのライブが「ヒット曲2曲の懐かしの歌手を出すにはこの会場は広すぎる」と酷評されたり、3日目トリのロッド・スチュワートがほかのトリのアーティストより1時間少ない時間で終わったりと、問題も少なくない。
そうした国外組に対し、同フェスでは普段からあまり重用されない国内組が話題を呼ぶケースが見られた。初日はブラジルの女性歌手カシア・エレールに捧げるショーが行われた。2001年の第3回ロック・イン・リオで話題を呼んで1年以内にまさかの死を遂げ伝説化した彼女を称えるステージでは、出演した女性歌手たち3人が服を脱いで胸部を見せる過激な演出を行った。
また3日目には、85年のロック・イン・リオにも出演したベテラン・バンド、パララマス・ド・スセッソが、最近の政治スキャンダルへのメッセージとして、ウルトラージェ・ア・リゴールの「イヌーティル」、レジオン・ウルバーナの「キ・パイース・エ・エッセ」といった、ブラジルを代表するプロテスト・ソングを披露して話題を呼んだ。
同じく3日目には、70年代の伝説のバンド、ノーヴォス・バイアーノスの元夫婦でもあったギタリストのペペウ・ゴメスとヴォーカルのベイビー・ド・ブラジルが27年ぶりに共演し、それを息子のペドロがバックバンドのメンバーとして祝福する姿も話題となった。
ロック・イン・リオは24日から後半戦が再開され、27日まで開催される。(18日付フォーリャ紙などより)
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