19日、キューバを訪問したローマ法王は、ラウール・カストロ議長と面会し、米国との関係改善のための努力の継続やコロンビア政府と革命軍(FARC)との和平の仲介を要請した。法王はハバナ到着直後にこれらを要請したと20、21日付伯字各紙が報じた。
今回のキューバ訪問は、米国訪問に先立つ形で行われた。
法王にとって、両国の和解は自身の目指す世界平和、協調の道の模範例となるものだ。
「両国首脳に引き続き関係改善への努力を要請したい。世界中で紛争が多発し、『第三次世界大戦』の様相を呈している今、米・キューバ和平は協調、寛容の良い模範となる」と法王は語った。
20日に首都ハバナで開かれたミサには無数のキューバ人と、法王の姿を一目見ようと近隣諸国から同国を訪れていた多くの人々が参列した。
ローマ法王はミサの中で「偉大でありたいと願う人は他の人々に仕えなさい。仕える時は、民の中でも社会的に弱い人達に仕えなさい」と語り、「思想に仕えるのではなく、隣人に仕えなさい」と結んだ。
法王はその後、ラウール・カストロ議長の兄でキューバ革命指導者のフィデル・カストロ氏の自宅を訪ね、非公式に面談した。
バチカン市国広報官のロンバルディ神父は正午過ぎ、「二人の会談は30~40分間行われた。これは公式なものではなく、友好的な雰囲気の下で行われた」との情報を公開した。
同神父は記者団に口頭で「二人は環境問題など、今日の世界が抱える問題について話した」と続けた。
会談後、フィデル・カストロ氏は、ブラジル人神学者フレイ・ベットとの対話集「フィデルと宗教」を、フランシスコ法王は、イタリア人思想家、アレッサンドロ・プロンツァートの作品を2冊お互いに贈り合った。
ブラジル人神学者、フレイ・ベットはハバナでのミサに参列しており、自身の作品がフィデル・カストロ氏から、法王に贈られた事を伯字メディアから知らされると、「大変な名誉」と感想を述べた。
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