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ブラジル政府=露国から対空ミサイル購入=8年以内総額5億ドル支出

 ブラジル政府は16年に、ロシアから3基の対空ミサイル防衛システム、パーンツィリS1を購入すると、19日付エスタード紙が報じた。
 総額5億ドルに及ぶ取引は、ミシェル・テーメル副大統領が16日、モスクワでメドヴェージェフ首相と会談した際に決まり、ジョゼ・アントニオ・ヴァッリン・ゲレイロ在露ブラジル大使と、関連軍需産業会社によっても確認された。
 テーメル副大統領を団長とするロシア訪問は13日から16日にかけて行われた。
 今回の訪問には民主運動党(PMDB)の6閣僚も随行したが、労働者党(PT)のジャックス・ワギネル防衛相は同行しておらず、防衛相不在の中で防衛関係問題が決まる事態となった。
 RIAノーボスチ通信社が、在露ブラジル大使に確認したところによると、この購入手順は16年に完了するとしている。
 この取引は、13日から16日にかけてテーメル副大統領の臨席で行われた、第9回伯露両政府共同委員会の議題の一つだった。
 エスタード紙によると、現在不況に陥っているブラジル経済への短期的負担を軽減させるため、契約には8年までの支払い猶予期間が設けられた。しかし、モスクワに飛んだブラジルの対空防衛関連企業は、輸送コストがかさめば、支払い総額は7億ドルに膨らむ可能性もあるとしている。
 防衛相のパーンツィリS1への関心は、14年のW杯で戦略重要拠点や施設の防衛用にと考えられていた13年にさかのぼる。パーンツィリS1は1・2キロから20キロの射程距離を誇る。