1959年に創刊された経済雑誌『実業のブラジル』の創立者、鈴木与蔵さんが1日、宮城県仙台市にあるキリスト教系の特別養護施設で亡くなっていたことが、関係者への取材で分かった。享年85。
宮城県出身。渡伯年は不明。1959年4月、『農業のブラジル』を創刊、法定社長が平田進さん、編集が鈴木さんだった。63年には進出企業が50社を数えことから姉妹紙として経済雑誌『実業のブラジル』を創刊。66年4月の『農業のブラジル』98号を持って『実業のブラジル』に統合した。
69年から77年までブラジル日本商工会議所の専務も務めた。創立30周年時には作家の阿川弘之氏を招聘、記念講演会「世界のユーモア、日本の笑い」を主催した。日伯経済界を長年定点観測し、貴重な記録を多数残してきた。
営業や購読を仕切ってきた妻正子さんが亡くなって気落ちして病弱になり、2006年から編集・刊行業務一切を永田翼さんに譲って帰国。同誌は11年末から発行されていない。鈴木さんは妹ら親族の住む仙台で世話になっていた。