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国境なき科学=今年は新規募集を停止=経済危機の影がここにも

 連邦政府は22日、ジウマ大統領の目玉政策の一つの国外留学支援プログラム「国境無き科学(CsF)」の新規募集を無期限で停止する事を公に認めたと23日付エスタード紙が報じた。
 この宣言は国連の子供の権利委員会(CDC)の総括の中で行われた。CDCの総括は21、22の両日にわたって行われ、幼児に対するブラジルの政策を評価査定した。
 アレクセイ・カルヴァーリョ教育省特別補佐官によると、「CsFが終わったわけではない。当面は新規募集を行わないというだけで、ブラジルの経済状況が改善したらまた募集を再開する」という。「今国外にいる学生は、奨学金カット、ブラジル帰国とはならない」と同補佐官は約束した。
 また、「ブラジルの経済状況を考慮に入れて、連邦政府は政策目標の見直しを行っている」と教育省は文書で述べた。CsFのプログラムで既に派遣されている学生3万5千人への奨学金支給は、現行通り継続される。
 ジウマ政権は、11年~14年に10万1千人に対して奨学金を出ている。18年までの第2期でも10万人の留学生を送ることを目標としているが、今年は取り止めとなった新規募集再開の期限は決められていない。前代未聞の超ドル高傾向も、新たな留学生の派遣を困難にしている。
 CsFを担当する科学技術省の所轄機関、国家科学技術開発審議会(CNPq)は、「これまでに約束した奨学金を払いきり、来年2万2千人の新規募集をする事を優先している」と語った。
 ブラジル国際教育協会会長のフレイレ・ジュニオール氏は、「CsFによる学生派遣を唯一の国際交流手段としている小規模教育機関が、今回の新規募集停止で大きく損害を受ける」と語った。