エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)は25日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で報奨付証言をはじめた企業家から、「スイスに秘密口座を作り、クーニャ氏に贈賄した」と名指しされた。この証言は、同議長が告発を受けた件とは異なる新たな内容であることで注目を集めている。29日付伯字紙が報じている。
問題となる証言を行ったのは、21日の第19次ラヴァ・ジャット作戦で逮捕されたPMDBのロビイストで企業家のジョアン・アウグスト・エンリケス被告だ。同氏はペトロブラス絡みの汚職事件、ペトロロンの舞台のひとつであった国際部でロビイストとして活動していた。
同容疑者が連邦警察に語ったところによると、この贈賄は同容疑者が交渉に立ち会った、アフリカのギニア湾沿岸の国ベナンでのペトロブラスの油田購入に伴うもので、贈賄の時期や額は明らかにされていない。
エンリケス被告はベナンの企業家と交渉し、「もしペトロブラスへの売却が成功したら、利益は山分けする」ことで話をまとめた。ペトロブラスはこの油田を2011年に1500万米ドルで買収し、ベナンの企業家が半額を受け取った。
エンリケス被告は残りの金で必要経費などを払い、売買交渉の取りまとめ役を果たしたPMDBの政治家にも指定された口座に金を振り込んだ。エンリケス被告はこの事業のために「アコナ」という会社を立ち上げ、スイスのBSI銀行に口座を開設。同口座から会社や個人に金を振り込んだという。
この際、同容疑者に振込みを命令したのは、PMDBミナス・ジェライス州元支部長で元下院議員のフェルナンド・ジニス氏(2009年没)の息子のフェリペ・ジニス氏だ。エンリケス容疑者は送金時、この金が誰のもとに渡るか知らなかったが、約2カ月前にそれがクーニャ議長であることがわかったという。
また、同じく先週、連警で報奨付証言を行ったペトロブラス国際部役員のエドゥアルド・ムーザ被告は、エンリケス被告が同氏に対し「国際部の部長人事で最終決定権を持っているのはクーニャ氏だ」と話したと証言した。元国際部部長のネストル・セルヴェロー被告の後任のジョルジュ・ゼラーダ被告とエンリケス被告、ムーザ被告は、8月に別件で他のロビイスト2人と共に起訴され、パラナ地裁で審理中だ。
クーニャ議長に関しては、ロビイストのジュリオ・カマルゴ、フェルナンド・バイアーノ両被告が、ペトロブラスの石油掘削船の事業に絡み、2006年に500万米ドルを受け取ったとの報奨付証言などがあり、検察が既に起訴している。
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