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なぜブラジルCDSが500bpを突破して上昇中なのか?

 「ブラジルCDS」という金融派生商品の保証料率が28日に540bpまで上がった。国の債務不履行に備える保険のような商品で、数字が高いほど〃危険〃。ウクライナで内戦状態のロシアでも380前後だから相当危険か。ブラジルもコンフェデ杯(13年)前は100前後と安全圏だったが、その後の上昇傾向は激しい▼連邦政府が前代未聞の来年度赤字予算を提出した8月31日頃から同数値は急激に上がった。9月9日に格付け会社S&Pがブラジルを投機的水準に格下げ。翌日から更に急上昇して400を超え、22日に1ドル=4レアルを超えた流れから25日に500を越えた▼CDS上昇=「国債が危ない」との連想も働くが、「みずほインサイト」14日付には、S&Pが格下げしたのは「外貨建て長期債」だとある。ブラジルは04年時点では国債の20%以上が外貨建てだった。FHC時代は「外国から大借金」の状態だったのを、ルーラ時代に国内債への借り換えを行い、今は95%がレアル建てだ▼S&Pもレアル建てブラジル債の格付けは「投資適格級」を維持とか。日本の国債も95%は円建てであり、外貨建て比率が低いことは外国勢に経済政策へ口を出させない重要な条件だ。その割にCDSの上がり方が激しく、投機的な意図を感じる▼ただし、08年には国外在住者のレアル建て国債保持者は5%程度だったが現在は20%。彼らにレアル安は響くのでCDSが上昇したか。それとも今週クーニャ下院議長が大統領罷免審議の開始可否を判断する政治リスクのせいか。500突破の理由は分かりづらい。よく言われる通り「ブラジルは一見さん向きではない」。(深)

ブルームバーグのブラジルCDSチャート

http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=Cbrz1u5%3AIND