9月28日夜、フルミネンセに加入してわずか80日で、ロナウジーニョが同チームを退団した。
6月にメキシコ・リーフのケレタロを退団したロナウジーニョは、翌月にフルミネンセに加入したが、この頃のイメージは決して悪いものではなかった。それは彼が2013年にアトレチコ・ミネイロを南米一に押し上げた活躍を覚えている人も多かったからだ。またフルミネンセにはジェルソンやマルロンといった欧州強豪が獲得を狙う10代の有望選手も多く、彼がよい手本になることを期待する向きも多かった。
だが、加入してからはパッとしなかった。ロナウジーニョは思うようなパフォーマンスが出来ず、得点に絡むこともゼロ。その間に、優勝争いが出来る位置にあったチームは連敗を重ね、遂には10位圏外にまで落ちてしまった。
そうしたことも重なり、ロナウジーニョは先発を外れ、ベンチ・スタートの試合が増えはじめたが、彼がフルミネンセに最も不信感を抱いたとされたのが、9月6日にマラカナン・スタジアムで行われたフラメンゴとの試合だった。
リオで最も盛り上がる人気カードを前に、ロナウジーニョは出場するつもりで前夜まで練習していたが、当日、少し喉の痛みを感じた。それをチーム首脳に切り出したところ、反応は本人が予想しなかったベンチ・スタートとなり、この試合はそのまま欠場。試合も1―3で惨敗した。
ロナウジーニョの心はチームから離れてやる気をなくしたが、代理人で兄のアシス氏から「こんな不名誉な形で辞めるな」と説得を受けていた。だが、チームは16日の対パルメイラス戦もロナウジーニョを使わないまま1―4で惨敗。
こうした流れの中、ロナウジーニョは加入わずか9試合、ノー・ゴールでフルミネンセを去ることとなった。
ただ、チーム内でもロナウジーニョに対する敬意は消えつつあった。それは、ロナウジーニョが加入早々のインタビューでチームリーダーを期待されることを拒む発言を行ったあたりからはじまった。また、練習に関してもチームから浮いた状態にあった。
ロナウジーニョはチームで決められた時間帯よりかなり前に練習場に姿を現し、コーヒーやタバコを吸いながら練習し、他の選手が到着する頃には帰宅していたという。
ロナウジーニョの友人たちは「彼はもう引退したがっている」と語っている。
一方、ロナウジーニョの退団に対し、彼のプレーにガッカリしていたフルミネンセ・ファンはネット上で皮肉に満ちた動画を多く上げた。その例をあげると、スポーツバーで笑顔で大喜びするフルミネンセ・ファンの写真に「ロナウジーニョが辞めたからだ」という太字コメントを載せたものや、「でも、フラメンゴがG4(全国選手権4位以上)にいた期間よりは長くいたよね」「フルミネンセを辞めたと聞いたけど、1試合もその姿を見なかった」などのジョークが見られた。(9月29日付グローボエスポルテなどより)
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