サンパウロ市全体の交通量においてバイクは13・2%を占めるだけだが、サンパウロ市で発生する交通事故の負傷者の半分はバイクの運転手や同乗者が占めている。他方、バイク運転手に科された罰金はサンパウロ市全体で科された金額の4・2%に過ぎないと1日付フォーリャ紙が報じた。
サンパウロ市交通工学公社(CET)発表の統計では、交通量と罰金の関係は乗用車が71・2%対72%、トラックやバスが15・5%対23・8%なのに比べ、バイクは交通量(13・2%)の割に罰金(4・2%)が少ない。
ジルマール・タットサンパウロ市交通局長は「バイク運転手は速度レーダーの場所の近くを通るときはナンバープレートを隠したり、4輪車の間に隠れてレーダーにかからないようにしたりして検査の目を逃れている」と語る。
ハダジ市政は交通事故撲滅に力を入れているが、「バイクは今日、サンパウロ市の道路交通の大きな問題だ。残念ながらバイク運転者の多くは交通法規を守らない。速度超過、車線の逆行、信号無視、何でもありだ」とオラーリオ・フィゲイラ、サンパウロ総合大(USP)工通学教授は語る。
今年の初めにCETが行った調査では、バイクの交通量は4輪車に及ばないが、1台あたりの交通違反率は一番高いことが分かった。
フィゲイラ氏は、サンパウロ市はバイクが4輪車の間を縫って走る事を禁止すべきだとしている。1998年制定の道路交通規制は明確に車の間をぬってバイクが走る事を禁じるはずだったが、この項目はフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領によって拒否された。
「車の間を縫って走る事が禁じられると、バイクの利便性が落ちるとの苦情も聞くが、交通違反を犯しての利便性など、文明社会に受け入れられるべきではない」とフィゲイラ氏は言った。
技師で、全国公共輸送業者会(ANTP)相談役のエドゥアルド・ヴァスコンセロス氏は、交通事故は、スピード違反とバイクのすり抜け走行の取締りを厳しくする事で減少できるという。
タットサンパウロ市交通局長は「バイクの違法走行への監視は強化されている」と述べたが、バイクが絡む事故の80%が起きているチエテ、ピニェイロスの両マルジナルでは、最高速度が引き下げられたことでバイク運転手が危険なすり抜け走行を行い易くなったともみている。