ドル高レアル安に苦しむペトロブラス社が9月末日からガソリン価格、ディーゼル油価格を値上げし、消費者価格にも初日から、ガソリン1リットルあたり0・17~0・20レアルが上乗せされた。これにより、今年のインフレ率は、02年の12・53%以来となる、二桁上昇となる可能性が高まったと1日付エスタード紙が報じた。
「ガソリン価格の上昇により、改めて、ドル高レアル安がインフレにつながったと言える」とエコノミストのルイス・ロベルト・クーニャ氏は語る。同氏は年末までのインフレ率が政府目標上限の6・5%を大きく上回る10%に達すると見ている。ディーゼル油は全ての商品の流通過程に関わっており、輸送費が上がることで食料品などの値上げにもつながる。
ブラジル貨物輸送協会(NTC&L)はディーゼル油4%の上昇は、0・46~1・41%の輸送費上昇につながるとした。
ジェツリオ・ヴァルガス財団のアンドレ・ブラス氏は、ブラジルは不況のため、ガソリン値上げの影響が生産活動に及ぶのは少し遅れるとみている。
ルイス・カルロス・コレア・カルバーリョブラジル農産業協会会長は、「有機代替燃料である、エタノール価格の今年第4四半期の上げ幅は今年一番のものになる」と語る。エタノールはガソリンと競合する商品で、ガソリン価格のいかなる変動も、エタノール価格に反映されるとした。