1日、ラヴァ・ジャット作戦で既に起訴を受けているエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)に関し、スイスの検察当局が同氏は同国に最低四つの秘密口座を持っていることを明らかにした。2日付伯字紙が報じている。
スイス当局からブラジルの連邦検察庁に渡った情報によると、口座のある銀行の監査員が4月頃、スイス当局に「クーニャ氏が自分の口座から自身の名前を消すための工作を行った、との情報が浮上している」と伝えたことから、スイス当局も同氏に関し、資金洗浄と収賄の疑いで捜査をはじめたという。
その結果、実際はクーニャ氏と夫人のクラウジア・コルデイロ・クルス氏のものである秘密口座が四つ見つかり、スイス当局が合計500万米ドルを差し止めた。
秘密口座はタックス・ヘイヴンにある架空の企業名義で作られており、表向きにはクーニャ氏たちはただ単に「受取人」となっている。スイス当局によると、これは法的な何かを隠す人が使う名義登録だという。
クーニャ氏は今年3月に、開設されたばかりのペトロブラスの議会調査委員会(CPI)におもむき、「国外に秘密口座など作っていない」と繰り返し証言していた。
だが、この件が明らかになった1日、下院本会議で社会主義自由党(PSOL)のジョゼ・アレンカール下議から秘密口座について尋ねられたクーニャ議長は、同下議に目を合わすことなく、答えをはぐらかした。
クーニャ氏は、本来ならこの日からイタリアに渡航するはずだったが、取りやめている。
ラヴァ・ジャット作戦ではこれまでに、6人の被告が報奨付証言でクーニャ氏の名前を挙げている。特にトーヨー・セタル社のロビイスト、ジュリオ・カマルゴ被告による「クーニャ氏がペトロブラスの掘削船契約に関して500万米ドルの賄賂の支払いを要求した」との証言は、連邦検察庁がクーニャ氏を起訴する直接的な根拠になった。
また、9月下旬には、PMDBのロビイストのジョアン・アウグスト・エンリケス被告が、ペトロブラスのアフリカのベナンでの事業に関して賄賂を払った件で、「当時は誰に支払ったかわからなかったが、2カ月ほど前にクーニャ氏であることがわかった」と証言したばかりだった。
クーニャ議長は昨年から、連邦政府にとっては「議会の反抗勢力の中心人物」になっている。現在は下院に提出されたジウマ大統領罷免要求を進めるか否かのカギを握っている人物でもあるが、自身の議長としての立場も危うくなっている。
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