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ビジネスコラム=PwCブラジル=第2回=重要な取引にかかる情報の申告=矢野クラウジオ(タックス・ディレクター)

 前回の記事では度々適用時期が延期された後、2016年に導入されるであろう補完的な税務申告義務(ブロックKとe-social)について寄稿しました。
 最近、2015年7月に暫定措置685号(PM685)が公布され、税務過少申告を防止する目的で会社の重要な取引にかかる情報の申告(〃DIOR〃 – Declaracao de Informacao de Operacoes Relevantes)を要求するというものです。
 この申告は、毎年9月30日までにブラジル国税庁に提出されなければなりません。
 当法案については暫定措置段階であり数多くの修正が提言されたため、議会による承認については継続検討が行われており、2015年の取引については2016年から提出が義務化されると見られています。また、暫定措置の承認後は、ブラジル国税庁により法制化されることになります。
 しかしながら、議会承認に先立ち、ブラジル国税庁は2014年からその情報を収集する目的で法人所得税申告書にその詳細な項目を含めました。
 これに伴い、さまざまな組織による抗議が相次いだことにより、ブラジル国税庁が、当期はこの情報を要求しないと説明を行いました。
 どの取引が法人所得税申告書を通じて当該情報の提出義務を負うか正確には周知されていませんが、ひとつ判っている事は、以下に記載したような情報が要求されるだろうという事です。
– 共同取引の初年度および最終年度の期日
– 減税の初年度および最終年度
– 関連会社との取引
– 海外関連会社との取引
– 繰延税金資産の発生
– 第三者との負債の発生
– 第三者との負債の受益者
– 海外へ利益を移すことによるブラジル国内における課税ベースの低減
– 資産の減少およびその減少率
– 簡潔な事実の概要
– 法定引当金
– 事業目的の正当性
– DIORに係る税金
– タックスプランニングによる減税額
– 年間の減税額
– 過年度の情報
 上記情報を申告後、ブラジル国税庁はその取引を査閲し、もし上記情報が適切に申告されていない場合には、30日以内に情報を修正し、該当する税額を利子とともに納税することになります。
 情報の申告をしなかったり、ブラジル国税庁が申告が無効または納税回避や不正と認識された場合には、該当する税額と利子に加え、罰金(150%)が科せられることになります。(問い合わせclaudio.yano@br.pwc.com 

※この記事は、ブラジルにおける法令等の改正動向等をお知らせするため発行されたものであり、一般情報の提供を主たる目的としています。個別ケースに対する専門的アドバイスとして、ご利用頂けない場合がございますので、あらかじめご了承下さい)