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「カードが出てこない!」=現金引出し機詐欺に注意を

 「カードが出てこない!」。9月末の日曜昼、東洋街のサンタンデル銀行ガルボン支店の現金引出し機(ATM)コーナーで、戦後移民のAさん(70代女性)は焦った拍子に、あやうく詐欺にひっかかりそうになった。「高齢者を狙っている感じだった。皆さん、銀行職員がいない時間帯にはATMを使わないよう心がけて」と呼びかけた。
 カードが出ずに困ったAさんを見て、室内にいた日系と非日系の女性が親切そうに近づき、「私の携帯から中央銀行に電話してカードを使用停止にした方が良い。手伝ってあげる」と申し出た。信用したAさんは「本人確認のために必要」と言われ、名前や住所、パスワードまで女性に教えてしまった。
 電話の後、その女性らは銀行を出たが、Aさんは急に心配になり、どうしてもカードが気にかかってしばらく残った。すると50代の非日系男性が入ってきたので、Aさんは事情を話した。
 不思議なことに、その男性は持っていた鍵の束を使い、手馴れた手つきでATMを開けてAさんのカードを返してくれた。「鍵を持っている銀行関係者が詐欺に関わっているのか」と危ぶんだが「日曜で道にはたくさんの人出があり、騒がれると大変だから返してくれたのか」と推測する。
 その直後、他のATMにカードを入れると使用可能だった。件の女性2人はAさんから暗証番号を聞き出す役で、後から男性がカードを回収し、暗証番号を使ってお金を引き出すところだったようだ。
 幸いAさんに被害は無かったが、高齢者やポ語が不得手な外国人を狙った詐欺の可能性が高い。銀行職員がいない時間帯にATMを使うのは極力避けた方がよさそうだ。


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 あわやATM詐欺という出来事があったが、ネット詐欺も流行している。偽のホームページを作り、商品購入ボタンを押した人に入金させ、品物は発送しないという手口が、日伯ともに共通している。コラム子は日本にいた頃に高価なカメラを購入しようと入金したが届かず、被害届を出した経験がある。とはいえ、銀行員のストが今週から始まった。銀行窓口がストで閉鎖され、どうしてもATMに頼りがちなときだけに、詐欺には十分にご注意を。