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サンパウロ州=農薬検査全く機能せず=汚染された作物が31%も

 現在、サンパウロ州で出回っている野菜や果物には使用が禁じられた農薬や許容量以上の農薬を使って栽培されたものも多く、その実態を調べる検査も不徹底と4日付フォーリャ紙が報じている。
 衛生監督庁(Anvisa)がサンパウロ市や大サンパウロ市圏で行った検査では、セスタ・バジカ(インフレ指数算定の基となる主要品目)に含まれる野菜や果物の31%から使用禁止の農薬や許容量以上の成分が検出された。
 禁止農薬の使用や残留農薬が特に目立つのは、ピーマン(90%)、いちご(70%)、レタス(70%)だ。
 サンパウロ州で流通する農作物の30%はサンパウロ州食料保管センター公社(Ceagesp)を経由するが、出入りする業者の一人は「20年間ここで取引しているが、検査らしいことをしているのを見たことがない」と話す。農務省の資料によれば、Ceagespが14年に検査した作物はバナナ2本だけだったという。
 衛生監督庁の抜き打ち調査で検出された農薬には発がん性物質を含むものもあり、その一部は、米国や欧州、インドや中国ではもう既に使われていないものも含まれている。ブラジルは世界でも有数の農薬輸入国で、この15年間の農薬の輸入量は約1千%増えた。14年の場合、衛生監督庁に登録申請された農薬の約20%に、米国や欧州では禁止されている成分が含まれていたという。