サンパウロ市の名物の一つ、ブラス区の早暁市を取り仕切る権利を得るための入札が行われ、下露天商のエリアス・テルジレネさん(43)が、今後35年間の権利を買い取ることになった。
約4千軒の店が集まる早暁市は国内外からバスで乗りつける顧客らが引きもきらず、テルジレネさんも、35年間で15億レアルが動くと見込んでいる。落札者には、営業権取得費用として、市役所に5千万レアルを支払う事と、同市のインフラや駐車場、周辺の宿泊施設などを整備するために5億レアルを投資する事などが求められる。
「自分は元露天商だから、露天商達の立場や考え方がよくわかる。早暁市は将来の企業家の巨大な揺りかごさ」というテルジレネさんは、同市で店を出す人々に、海賊版を国産品に取り替える事で国内産業を支援し、税務局との関係も是正できる事なども教えていくつもりだ。
テルジレネさんは各店舗につき月々950レアルを徴収する権利があるが、ファストフードの大手企業や銀行と提携して食の広場を開いたりすれば、より多くの収益を上げる事ができるとも考えている。
また、路上生活者による再生資源ごみの回収と清掃のための協同組合の設立と、退職警官による治安維持のための会社の立ち上げなども考えているが、連邦政府の生活扶助政策のような社会福祉主義は否定している。
早暁市は、連邦政府が2012年にサンパウロ市に名義を書き換えたパリ地区の11万9千平米の土地で行われている。
その前に同市が開かれていたブラス区では2011年頃、監察官の賄賂徴収などのスキャンダルも起きた。また、市役所が監査を強化する意向を発表した事で抗議行動が続いた時期もあったが、現在は市役所の経済開発局と労働局が経営権管理の責任を負う事になり、35年間の営業権などを含む入札が行われた。テルジレネさんは落札者第1号として今後35年間の営業権を得たが、この契約は更に35年間更新する事も可能だ。(7日付G1サイトより)
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