ワールドカップ南米予選で、セレソンがチリ代表に0―2で苦杯を舐めるスタートを切った一方、リオ五輪を想定したアンダー23(23歳以下)セレソンは、ドミニカ、ハイチの本代表に2戦続きで圧勝し、ブラジルのサッカー・ファンを喜ばせた。
ドミニカ、ハイチ共にFIFAランキングでは174位、77位と弱小ではあったものの、五輪セレソンは難なく、6―0、5―1の大量得点で圧勝を飾った。
今回の2試合での一番の収穫は、〃ガビゴル〃の愛称で知られるガブリエル(サントス)と、「ネイマール以来の大物」との呼び声が高いガブリエル・ジェスス(パルメイラス)の18歳のフォワードコンビが、2試合でそれぞれ3点、2点を決めたことだ。
ガブリエルは3得点に加え、アシストでも光る仕事をし、またジェススは、ゴール隅を狙ったシュートの絶妙なコントロールや、ハイチ戦で決めた長いクロスに飛び込んでのシュートなど、個人技の高さでスタジアムの観客をうならせた。
この「Wガブリエル」は既に全国選手権でも人気を博しており、五輪前まで成長を続けると国内リーグの活性化にもつながりそうだ。
また、チリ代表の司令塔と顔が似ているからという理由だけで同じ登録名にしたことでも話題となり、国内でも人気のある、インテルナシオナルの司令塔、ヴァルディヴィアも自身の得点やジェススへのアシストで見せ場を作った。
さらに、2得点をあげたサイドバックのマイコンが急に株を上げた。イタリア2部リヴォルノ所属の同選手は無名ながらもこの2試合に右、左、両方のサイドバックで先発出場、両試合で1得点ずつあげて注目された。
こうした選手たちの活躍で、当初活躍を期待されていた欧州組の左サイドバック、ウェンデル(バイエルン・レヴァークーゼン)やフォワードのケネディ(チェルシー)などが見せ場を作れずに終わり、悔しい思いをするなど、選手間での競争も高まっている。
五輪セレソンは11月にも親善試合が2試合組まれているが、この次はより高いレベルでの結果が求められそうだ。
特に攻撃陣には、「ネイマール以外は手薄」と呼ばれて久しい本セレソン攻撃陣に召集されるようなレベルの選手台頭への期待がかかっている。
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