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警官が虚偽の調書作成?=頭部被弾も交通事故死扱い

 サンパウロ市東部サポペンバで11日未明、流れ弾を頭部に受けた警備員が死亡する事件が起きたが、警官はバイクに撥ねられて死亡したという調書を作って処理しようとしたとして、母親が抗議の声を上げている。
 死亡したのは、同市西部で警備員として働いていたアレックス・デ・モライスさん(39)で、仕事を終えて帰宅中の2時50分頃、バスを降りて家に向かって歩き出したところで被弾した。
 軍警は、現場付近を2人乗りのバイクが走り過ぎた後に被害者が路上に倒れているのを発見したとして、追跡中のバイクが撥ねたとの調書を作成したが、付近の住民は銃声を聞いており、検死でも頭蓋骨に穴が開いていた事が確認された。
 住民達は、警官達がバイクの2人を追跡中に発砲した弾がアレックスさんに当たったと証言。警官の一人は「馬鹿なことをやってしまった」と口走ったともいう。
 アレックスさんはサンタマルセリーナ病院に運ばれたが、数時間後に死亡した。同病院の医師は「首筋に被弾していただけで、バイクに撥ねられた事による外傷はない」と話している。
 母親のフランセリナ・ヴェイガ・デ・モライスさんは、事件当時は既に寝入っていたが、病院に駆けつけた時、医師から「息子さんは撥ねられたりしていない。骨も何も皆そのままだけど、銃弾を受けて頭に穴が開いている」と聞かされた。
 しかし、軍警が第69署で作成した調書には頭部のケガについての言及がなく、「(バイクの運転手の)過失傷害で運転手は現場から逃走」と記載されていた。
 家族は調書の訂正を求めたが、聞き入れてもらえず、第53署に不審死として届け出た。
 これを受け、保安局と軍警が同件についての調査を開始。事件が起きた現場を管轄する第70署のルイス・エドゥアルド・デ・アギアル・マルトゥラノ警部が、検死結果を確認した上で調査を継続する事と、軍警内部でも事実関係を調べる事になったと明記した文書を発表した。(13日付G1サイトより)