サッカーのワールドカップ南米予選は第2節を終了したが、ブラジルのサッカー・ファンの注目は良くない意味で、司令塔オスカール(チェルシー)に向けられている。
8日のチリ戦、13日のベネズエラ戦でもオスカールは良いところがなかった。チリ戦では簡単なパス・ミスやトラップ・ミスを繰り返し、得点機にも全く絡めなかったことが最大の敗因としてあげられた。
そうしたこともあり、ベネズエラ戦も当初は先発を外れるのではと予想されていたが、それは免れた。だが、動きは精彩に欠け、周りの選手が何とか良いきっかけを与えようとシュートのためのパスを渡しても、シュートを撃つのにもたつき、好機を逃した。
そして後半のシュート機を逃したことで、台頭著しく、ファンも代わりの出場を求めていたルーカス・リマ(サントス)に交代させられた。ルーカス・リマはその後、ゲームを作り、3点目のお膳立てをするなど、ファンを満足させるプレーを展開。ネット上にも「次こそルーカス・リマに先発を」の声が多く上がっていた。
この2戦、動きの鈍いオスカールとは正反対に、チェルシーの同僚ウィリアンは、欠場中のネイマールとオスカールの不調を豊富な運動量と積極的なチャンス・メイキングでカバー。評価をうなぎのぼりさせ、全く対象的な結果となった。
13日の試合終了後、ネット上はオスカールにまつわるジョーク(ピアーダ)で溢れかえっていた。代表的なものをあげると、「今日分かったことは、アメリカのプレイボーイ誌が女性のヌードの表紙をやめることとオスカールがセレソンで使えないことだ」「(連日の猛暑でも)高気圧の地図でもオスカールのいるところだけは寒い」「彼を見ていると休み時間にひとりぼっちの小学生のようだ」「彼がロマーリオの11番をつけるなんて憲法違反(ロマーリオは現在上院議員)だ」などの言葉が踊った。
また、「オスカールの試合より、オスカー(アカデミー賞)の授賞式を寝ないで2回見たほうがましだ」「最後に見た良いオスカールはバスケットをしていたよ(ブラジルの名選手オスカール・シュミットのこと)」と、名前にちなんだジョークも見られた。
ブラジルでは、期待の選手が活躍しないと、こうした洗礼を受けるのが日常茶飯事だが、中には「思い出してくれ。オスカールいなかったら0―7だったんだぞ」と、昨年のW杯準決勝ドイツ戦で唯一の得点をあげたのが彼だったことを指摘するものもあった。
オスカールは12年のロンドン五輪以降、ネイマールと共に不動の攻撃の要として目されてきたが、司令塔役には前述のルーカス・リマやフィリペ・コウチーニョ(リバプール)などライバルも多く、次節以降が正念場となりそうだ。(14日付ランセネット・サイトより)
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