サンパウロ州政府はサンパウロ市内の二つのモノレール(東部の15号線、南部の17号線)の建設、営業を民営化することを計画していると13日付フォーリャ紙が報じた。
ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)にとり、民営化は州が労働者を直接雇用する必要が無くなり、州財政への負担が軽減されるという利点がある。このため、予定半ばで工事が中断し、完成の目処さえ立っていない二つのモノレールを完成させるための資金調達方法として考えられているのが民営化だ。
モノレールは都市景観や安全性の面から賛否両論あり、1970年代から80年代にかけて一度衰退した。近年は中国やマレーシア、ブラジルなどの発展途上国で採用され始めたが、世界的に見ても公共交通機関の主役の地位を占められずにいる。
サンパウロ市では地下鉄よりも建設期間が短く、コストも安いという理由でモノレール建設計画が採用されたが、この利点も活かされていない。最初の建設業者との契約からほぼ6年が経過したが、15、17番線は完成には程遠い状況にある。
最も楽観的な見通しでも、18年までに開通するのは、最初に契約した36駅、総距離44・4キロの内、17駅、21・9キロのみだ。
両線の建設から運行までの費用も当初の予定より膨れ上がっており、15号線の建設費用は既に、当初予算を3億レアル上回っている。
サンパウロ市南部とABC地区(サンカエターノ・ド・スル、サンドアンドレ、サンベルナルド・ド・カンポ)をつなぐ18号線も、昨年、民営化を前提とした契約が締結されたが、着工の時期さえ決まっていない。
「早く完成し、建設費も安いという利点は何一つ生かされていない」し「その技術は、ブラジルはおろか、世界でも十分に普及していない」と建築家で都市計画修士のマルコス・キヨト氏は語った。