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先住民居住区で消火活動に当たる消防士達(Corpo de Bombeiros - 09/10/2015)
先住民居住区で消火活動に当たる消防士達(Corpo de Bombeiros - 09/10/2015)

アマゾナス州=火災で12市緊急事態に=今年は既に1万1千件越す

 少雨干ばつで泣くアマゾナス州では野火や山火事を含む火災が多発しており、同州政府が12市に対して緊急事態を宣言したと13日付G1サイトなどが報じた。
 緊急事態と官報にも記載されたのはマナウス、アウタゼス、カアピランガ、カレイロなどで、煙や灰が空を覆い、呼吸困難や視界が利かないなどの弊害が出ている。
 同州政府はマナウスとポルト・ヴェーリョを結ぶ国道319号線沿いの消火活動を担当する消防士に装備や資材のキットを届ける一方、環境監視のための統合センター設置も検討中だ。500万レアルとされる開設費の一部は国の支援も仰ぐ。
 同州では今年、13日までで1万1104件の火災が発生。衛星写真で火災を確認し始めてからの17年間で最多だ。国立宇宙調査研究院によると、写真判定による火災は9月だけで5千件を超え、10月も1063件が確認されている。国立気象観測所によると、同州での乾季は12月まで続き、マナウスや内陸部の降水量は平年以下の見込みだという。
 同州環境局は、上空からの視察と共に、農家にも焼畑などを避けるよう指導しているが、9月前半は州南部が中心だった火災が、9月後半はマナウスとその周辺部で目立ち始めているという。
 エルニーニョに伴う少雨、干ばつは火災多発の主要因で、マナウス上空は1週間以上、煙に覆われた状態が続き、消防への通報や救急車の要請が15%増えている。
 今月に入ってからの火災発生件数最多はカレイロの85件で、以下、アウタゼス80件、カレイロ・ダ・ヴァルゼア71件、ラブレア67件、マナカプル57件、プレジデンテ・フィゲイレド45件、ボルバ43件、マナキリ42件、カアピランガ30件などと続く。
 マナウスの9月の降雨量は4日の15・8ミリのみで、気温も過去90年で最高の38・9度を記録。同市消防は今年、全州の出動件数528回の半分以上に当たる276回も出動している。