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サンパウロ州立校=再編問題で抗議行動続く=検察局も調査に乗り出す

 【既報関連】サンパウロ州政府が9月に発表した州立校の再編問題で抗議行動が続き、検察局も調査や調整に乗り出したと14日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
 サンパウロ州政府の学校再編案は、16年からは小学校から高校までを三つの課程に分け、各校は1~5年生、6~9年生、高校のどれか1課程のみとするというもので、州内5108校中、約3600校の現状を分析中だ。
 生徒の入れ替えや廃校(専門校や保育園になる可能性あり)の対象となるのは1千校程度と見られているが、158校には既に廃校との通達が届いたとの情報もある。正式には、州教育局が分析結果をまとめるのが23日、転校が必要な生徒への通達は11月14日とされている。
 州教育局は、転校を余儀なくされる生徒は100~200万人で、転校先は現在通っている学校から1・5キロ以内の学校としているが、具体的な情報がなく、離れた学校や既に超満員とされる学校へ転校させられ、現在通う学校は廃校といった事態になる事を恐れる生徒や父兄、教師達が、州内各地で抗議行動を起こす一方、検察局に調査などを依頼している。
 検察局は、8日に調査開始を決め、今回の再編成が短期、中期、長期の各視点でどのような利点をもたらすのか、事前にどの程度の検討がなされたのか、生徒や教師を含む現場との対話を行ったかなどを明らかにするよう州教育局に要請した。
 青少年の教育を専門とする州の公選弁護人達も9日、再編に向けた具体的な作業の実態や、再編を言い出した根拠となる資料などを明示するようにと要請している。
 生徒や教師達の抗議行動は、15日にサンパウロ市で行われたものなど、既に12市で繰り返し起きており、「子供が通う学校が廃校となり、2キロ離れた所に転校する必要があるが、そんなに遠くては子供を連れて行く事も出来ない」と怒る母親の声なども報じられている。