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これは人間?それとも動物?=サンパウロで話題の展示会
ここ数年、展示会ブームのサンパウロに、また話題を呼びそうなものが加わっている。それがブラジル銀行文化センターで12日からはじまった「コンシエンシア」だ。
これはオーストラリアの現代芸術家パトリシア・ピッチニーニ(50)の展示会だ。ピッチニーニの芸術は、絵画、彫刻から、映像や音声、デジタル・プリントを使ったものまで幅が広いが、特に有名なのが、現実世界の物にそっくりに作るハイパー・リアリズムによるインフレータブル彫刻(空気で膨らませた彫刻スタイル)だ。
特に彼女の場合、ただ単に現実世界にソックリな作品を作るのではなく、人間と動物の身体を合成させたような摩訶不思議なものが目立つ。「豚の鼻を持つ人間の赤ちゃん」や「猿の顔を持つ原始人」「カバのように見えて胸部だけは人間風」など、描いている対象は様々だが、その彫刻の放つイメージは、一度目にすると忘れられないくらい強烈だ。
これらの作品で描かれているのは、「遺伝子の変異」とでもいうべきもので、今回の展示のタイトル「コンシエンシア」にも「コンシエンシア(道徳、倫理)」と「シエンシア(自然科学)」の二つの意味がこめられており、バイオテクノロジーなど、人工科学が自然科学の領域に踏み入ることに対する彼女なりのメッセージがこめられている。
サンパウロでは、昨年もオーストラリアのハイパー・リアリズム彫刻家のロン・ミュエクの展示会が大成功しており、今回のピッチニーニの展示会にも強い期待がかけられている。
同展示会は来年の1月4日まで行われる。(ブラジル銀行文化センター公式サイトなどより)