軍政時代にサンパウロ州の陸軍秘密警察(DOI―Codi)司令官をつとめ、数々の拷問を行ったとされるカルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラ元陸軍大佐が15日未明、癌と心臓病の合併症状によりブラジリアで死去した。83歳だった。16日付エスタード紙などが報じている。
ウストラ氏は、軍事政権下でも軍による政治犯への弾圧がもっとも強かった1970~74年にDOI―Codiの司令官をつとめていた。
そのため、軍政終了後も、DOI―Codiで肉体的暴力を受けた当時の政治犯から訴訟を起こされることも多かった。2006年に起きたマリア・アメリア・テレス氏による訴訟では、1972年に夫と共に投獄されたテレス氏が、子供たちの目前で同氏から拷問を受けたと訴えている。
ウストラ氏は2013年5月にサンパウロ州の真相究明委員会からの召喚を受けたが、拷問を行ったことは一切認めようとせず、「自分はあくまで軍の司令に従っただけ」「民主主義を守り、ブラジルがキューバみたいな国にならないよう戦った」などと主張した。
同氏の死によって、DOI―Codiの中で行われた暴力の実態や行方不明の政治犯に関する真相の一部が、闇の中に葬り去られた。
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