中国の経済成長率が09年以来最低となった事が明らかになり、主要原料(コモディティ)価格が落ち込むと共に、世界的なデフレ発生を懸念する声が広がっていると20日付伯字紙が報じた。
中国は19日午前(ブラジリア時間では18日夜)、今年第3四半期の経済成長率は昨年同期比6・9%増で、同7%増だった第2四半期より減速した事を発表した。
最も心配されるデータは、生産力の低下を意味する投資の減少だ。インフラ基盤、機械への投資額は昨年比6・8%増にとどまった。第2四半期は昨年同期を10%以上上回り、昨年の第3四半期は前年同期比15%増だった。
中国経済の減速は、米国に燃料、食糧、原材料などの全分野に及ぶ価格下落の脅威をもたらしており、米国連邦銀行(Fed)が利上げをためらう要因にもなっている。
Fedは9月に中国の経済情勢を勘案し、現行のほぼゼロ金利を保つ事を示唆している。Fedは来週の会議で、金利について決める意向だ。
日本が90年代に経験したように、長期の不況はデフレを発生させ、消費活動の停滞を招いたり、人々を貯蓄に走らせたりする。物の価格が下がるので、金利が付かなくとも将来的に有利と考える人が出るためだ。
世界第2の経済大国である中国の景気停滞により、19日の原油価格は3%下落し、金属、食糧価格も下げた。この衝撃は、中国へ食糧や原材料を輸出しているブラジルでは通貨下落などの形で現れた。ブルームバーグによると、19日、新興国の通貨のうち、対米ドルで値上がりしたのは香港ドルのみで、マレーシアのリンギットは2・26%減、ロシアのルーヴルは1・39%減、ブラジルのレアルは1・35%減のように軒並み下落した。
ブラジル最大の不安材料は中国との取引が輸出総額の20%を占めている事で、主要品目はヴァーレ社の鉄鉱石と大豆だ。
ヴァーレ社株は、今年第3四半期の鉄鉱石の生産量が8820万トンと過去最高を記録したものの、3・09%値を下げた。逆に、ブラジル経済の動向を測る主要指数であるサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は0・45%上昇した。