リオデジャネイロ州市警が20日、同州海岸部のノヴァ・イグアス市で見つかった焼死体は、12日から行方不明になっていた軍警のネアンドロ・ドス・サントス・デ・オリヴェイラ氏のものである事が確認されたと発表した。
ネアンドロ氏は12日にバイシャーダ・フルミネンセのメスキッタに住む母親を訪ね、午後11時半頃に家を出てから消息を絶った。同氏の車は、リオデジャネイロ市北部で13のコミュニティが集まるコンプレクソ・シャパドンの中のフィナル・フェリースというファヴェーラの入り口で見つかったが、車には銃弾の跡と血痕が残っていた。座席には警官の身分証明書もあった。
軍警達はネアンドロ氏の遺体を見つけようとして、シャパドン内をくまなく探した。捜索活動の中では犯罪者らとの銃撃戦も起き、犯罪歴のない22歳の青年が死亡した事で、バス4台の焼き討ち事件も起きた。殺人課も加わった捜索活動で、シャパドン内では車の中で焼死した遺体2体が見つかった他、ノヴァ・イグアスでも焼死体が入った車1台が発見された。警察が逮捕した麻薬密売者らは未成年者2人を含む8人で、その内の1人が同氏襲撃の様子を詳細に供述したという。
それによると、12日夜から13日未明にかけてシャパドン内を特別作戦部隊の装甲車が走るのを見た麻薬密売者達は、離れた場所でパーティーを開いていた仲間の応援を求める事にした。
小銃などを手に車数台で応援に駆けつけた密売者達が主要道路を封鎖したため、住民達は車を停止したが、その中の1台がギアを入れ替え、後進し始めたため、密売者達が一斉に銃を発射した。
運転手は銃で応戦したが、車に乗り込んできた犯罪者達は運転手が警官である事を示す身分証明書を発見。ネアンドロ氏をファヴェーラ内の丘の上まで連れて行くと、GM社のプリズマの中に押し込み、生きたまま車に火をかけたという。
ネアンドロ氏の遺体は炭化していたが、歯の治療跡とDNA鑑定によって身元が確認された。遺体は21日朝、埋葬されたが、同氏の母親は埋葬の直前に気を失い、医師の手当てを受けた。同氏の妻は妊娠3カ月で、涙に暮れつつ、ネアンドロ氏がいかに愛情深い男性だったかを声高に語っていたという。
同州のルイス・フェルナンド・ペゾン知事は20日、シャパドンへの平和維持駐留部隊(UPP)設置は五輪前の4月か5月で、それまでは陸軍兵士が、諜報担当者達の助けを借りつつ、駐留する事になるとの見通しを明らかにした。4~5月の平定作業には国道警察や連邦警察の協力も仰ぐ意向で、連警のヘリや諜報活動の担当者らの助けも養成するという。(20、21日付G1サイトなどより)