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交通事故=ブラジルでは死亡率が上昇=世界的には低下する中で

 世界保健機構(WHO)が、全世界では年125万人が交通事故の犠牲となった事と、ここ3年間の交通事故による死亡率は79カ国で現状維持または低下したが、ブラジルなど68カ国では上昇したと発表したと19日付G1サイトが報じた。
 全世界の死者の90%は全体の車両の54%しか持たない発展途上国で起きている。最も死亡率が高かったのは10万人当たり73・4人のリビア、次はタイの36・2人だった。地域別の死亡率が最も高かったのはアフリカの10万人当たり26・6人だ。最も犠牲者が少ないのは欧州で、英国やスウェーデン、ノルウェー、スペインのように法規が厳しい国は、10万人当たりの犠牲者も4人以下だった。交通事故の犠牲者は、歩行者が2%、自転車の利用者4%、バイクの利用者23%となっている。
 ブラジルの2012年の交通事故の犠牲者は4万7千人で、10万人当たり23・4人が犠牲となった。この数字はアフリカ諸国の平均並みで、ブラジルの交通事情はかなり危険といえる。2003年の死亡率は10万人当たり18・7人だった。
 2010年のブラジルは、ラ米で5番目、世界では33番目に交通事故による死亡率が高かった。13年は、世界での順位こそ56番に落ちたが、ラ米ではドミニカとベリーズ(旧称イギリス領ホンジュラス)に次ぐ、3番目に死亡率が高い国となっている。 
 ブラジルには市街地の制限速度が80キロという町もあるが、WHOは市街地の適正速度は50キロと指摘。ブラジルの法規は十分に適用されていないとの声もあり、ヘルメットの着用やチャイルドシートの使用は10段階評価の6点止まり。飲酒運転禁酒法とその適用は8点と評価され、安全ベルトの使用状況や制限速度の遵守率は7点だった。