22日より11月4日まで、サンパウロ市内の23の映画館で、ブラジルを代表する国際映画祭の「サンパウロ国際映画祭」が開催されている。
今年で第39回目を迎え、サンパウロ市民には「モストラ」の愛称で知られている同映画祭は、芸術性の高い映画をまとめて紹介する機会として、ブラジルの映画ファンの間で長きに渡り、信頼を得続けている。
ここ数年はややマニアックな趣向が続いていた観もあったが、今年はカンヌ映画祭でパルム・ドールを獲得したフランスの名匠ジャック・オーディアール監督の「ディーパン」や、新人監督の作品ながら同作とパルム・ドールの座を激しく争って話題を呼んだハンガリー映画の「サン・オブ・サウル」、ヴェネツィア映画祭で大賞の金獅子賞を受賞したベネズエラ映画の「デスデ・アラー」、ハリウッド屈指の人気俳優ジョニー・デップがひさしぶりに映画賞争いに絡んできたことで話題の「ブラック・マス」など、目玉になりやすい作品が並んでいる。
また、今回は、アメリカの巨匠映画監督マーティン・スコセッシが監修する世界の名画保存企画が25周年を迎えるということで、それを称え、そのセレクションの中からの傑作選も公開される。その中には、黒澤明監督の「羅生門」(1950年)や、ロマンティック・コメディの元祖フランク・キャプラ監督の「或る夜の出来事」(1934年)、永遠の青春スター、ジェイムス・ディーンの代表作「理由なき反抗」(1955年)、ハリウッドの反逆児俳優マーロン・ブランドの「波止場」(1954年)といったおなじみの名画から、「ブラジル最初の名画」と呼ばれるマリオ・ペイショット監督の無声映画「リミテ」(1931年)も公開される。
モストラは11月4日まで行われる。各映画の上映についての詳しい情報はhttp://39.mostra.org/br/home/まで。