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コリンチャンス=元エースとの再会=皮肉にも代役選手が決勝点

 今年のサッカーブラジル全国選手権も残り7節となり、独走態勢を築きつつある首位コリンチャンスが25日、ホームでフラメンゴを迎え撃った。
 サンパウロ州1位の人気チームとリオ州2位の人気チーム同士の激突はアウェイのサポーター席もぎっしり埋まり、今年のコリンチャンスの最多観客動員記録を再び更新する4万3千超の観衆が入った。
 この試合の注目点は何と言っても、5月限りでフラメンゴに移籍した元コリンチャンスの大黒柱、ペルー代表CFのゲレーロが、初めてコリンチャンスのホームアレーナ・コリンチャンスに帰ってくることだった。
 チームとの契約延長交渉がまとまらず、他所のチームになびいた元エースは、3年前の世界制覇を決めるゴールも奪い、コリンチアーノからは半ば崇拝の対象ともなっていたが、「可愛いさ余って憎さ百倍」で、ボールを持つたびに非難の口笛やブーイングの対象となっていた。

数カ月前までの味方に激しくマークされるゲレーロ(中央)(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

数カ月前までの味方に激しくマークされるゲレーロ(中央)(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

 そのゲレーロの後釜に座ったヴァギネル・ラヴは、この日まで11得点と及第点の成績ながら、逸機も目立ち、まだコリンチアーノのハートを掴むには至っていなかった。プレッシャーからか、「コリンチャンスのCFを務めるのは並大抵の事じゃない。プレッシャーはすさまじい。毎試合、槍でライオンに立ち向かう、いや、2頭のライオンに立ち向かうようなものだ」と直前のインタビューに答えていた。

先制ゴールを奪ったヴァギネル・ラヴ(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

先制ゴールを奪ったヴァギネル・ラヴ(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)


 ラヴはいつもの如く、前半は逸機が目立ち、ゴールチャンスを逃すたびにスタンドから非難の声が高まっていたが、前半ロスタイムになって得た4度目のチャンスをものにすると、落ち着いてゴールに流し込んだ。
 中位に沈むフラメンゴも、中盤からの厳しい守りで、コリンチャンス自慢のセレソン、元セレソン揃いの中盤から自由を奪って抵抗したが、逆にそれが災いしてレッドカード。退場者を出して万事休す。コリンチャンスはダメ押し点こそ奪えなかったが、危なげなく1―0で勝ちきった。
 2位のアトレチコ・ミネイロも直後の試合で勝ち、両者の勝ち点差は8のまま、いよいよ次週は両者の直接対決となる。コリンチャンスは勝てば王手、引き分けでも大優勢変わらず、負けた場合のみ、若干苦しくなる。「残り6試合の勝ち点差8」はそんな状況だが、アトレチコ・ミネイロは最後の意地を見せるだろうか。(規)