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24日のルーラ氏(Paulo Pinto/Instituto Lula)
24日のルーラ氏(Paulo Pinto/Instituto Lula)

ルーラ=三男の企業に連警捜査の手=CARFのゼロテス作戦で=疑惑契約会社ソーシオは逮捕=ブンライに続く火種に

 財務省傘下の税務監理審議会(CARF)内部で行われていた贈収賄工作に関する連邦警察の第4次「ゼロテス作戦」が26日に行われ、ルーラ前大統領の三男ルイス・クラウジオ氏の企業にも捜査の手が伸びた。26日付伯字紙サイトが報じている。

 CARFは「連邦歳入局の高等裁判所」とも言うべき機関で、贈収賄工作は、企業が抱えた負債に関する裁判を有利にするなどの恩典を求めて行われたものと見られている。連邦警察はこの汚職計画で190億レアル分の税務署の資金に損害が出たと見ている。
 この捜査は3月にはじまり、今回で第4次となる。26日は連邦直轄区とサンパウロ州、ピアウイ州、マラニョン州に計33の令状が出され、CARFと企業の間に立っていたとされるロビイストのアレッシャンドレ・パエス・ドス・サントス容疑者など5人が再発防止用の拘束延長処分での逮捕を受けている。
 その捜査対象にルイス・クラウジオ氏の企業LFTマーケティング・スポルチーヴォも入った。同日午前6時頃、連邦警察官や財務省職員はサンパウロ市セントロにある同社社屋に立ち入り、2時間ほど捜査を行った。
 LFTはマルコンデス&マウトーニ・エンプレエンディメント社(M&M)との契約で2400万レアルを受け取ったと今月初旬に報じられていたが、26日に逮捕された容疑者にはM&M社共同経営者(ソーシオ)のマウロ・マルコンデス氏が含まれている。
 M&M社は今月2日付本紙で報じたように、ブラジル自動車業の販売・製造の大手のMMCアウトモトーレス(三菱自動車のブラジル子会社)とCAOA(ヒュンダイ車の製造やフォード、ヒュンダイなどの販売を担当する)が2009年11月に、自動車の税優遇処置の延期を認める暫定令(MP)471を議会で承認させるよう、契約した2社の内の一つだ。この2社はロビイストとして連邦政府に働きかけ、MP承認にこぎつけたが、その見返りとしてMMCなどから受け取った金を政府の関係者に支払う仲介役だった。
 M&Mと共に仲介役を果たしたSGR社のジョゼ・リカルド社長もこの日逮捕されたが、同氏は同MPが議会で審議されていた当時の官房長官のエレニセ・ゲーラ氏(労働者党・PT)と深い関係のあるロビイストだ。
 今回の逮捕者には、Carf元監察官のジョゼ・リカルド・ダ・シウヴァ氏も含まれている。
 ルーラ氏近辺では先週半ばから週末にかけ、ラヴァ・ジャット作戦で、親友の牧畜企業家のジョゼ・カルロス・ブンライ氏が疑惑の人物として浮上したばかりだった。