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疑惑が浮上したジルベルト・カルヴァーリョ元大統領府総務長官Marcelo Camargo/Agência Brasil)

ゼロテス作戦=自動車業優遇MPが背景に=カルヴァーリョ氏関与か?=13年の延長時にも金動く=ルーラ息子強く疑う検察庁

 【既報関連】ルーラ前大統領(労働者党・PT)の三男のルイス・クラウジオ氏の企業も捜査を受けたことで衝撃を呼んだ、連邦警察の第4次ゼロテス作戦の詳細がより明らかとなった。27日付伯字紙が報じている。

 26日のゼロテス作戦は、連邦政府の税優遇処置延長を望む自動車産業が、連邦政府に延長を認める暫定令(MP)を出させ、それを議会で通過させる代わりに、連邦政府との間に入ったロビイスト企業を通して贈収賄を行い、それを実践した疑惑に関するものだ。
 26日に逮捕された6人の内、SGR社共同経営者(ソーシオ)のジョゼ・リカルド・ダ・シウヴァ氏とアレッシャンドレ・パエス・ドス・サントス氏、マルコンデス&マウトーニ(M&M)社ソーシオのマウロ・マルコンデス氏の3人は主犯となったロビイストだ。マルコンデス氏は、26日に懲戒免職になるまでブラジル自動車工業協会(Anfavea)の副会長でもあった。
 SGRとM&Mは、MMC社(三菱自動車のブラジル子会社)とCAOA社(ヒュンダイの製造・販売、フォードの販売)に雇われ、09年11月に提案されたMP471とそれに付随するMP512(10年)、MP627(13年)の議会通過と引き換えに賄賂を受け取ったとされている。
 連警は、09年のMP471の議会通過のために640万レアルが動いたと見ている。ロビイストたちはMP471が作成された同年11月、当時のルーラ氏付秘書室長で、ジウマ政権で大統領府総務長官になったジルベルト・カルヴァーリョ氏(PT)と交渉を行ったとされ、カルヴァーリョ氏も同日、連警で事情聴取を受けた。
 M&Mは、13年に出た優遇処置のさらなる延長を認めるMP627に関しても、MMCとCAOAから1680万レアルを受け取ったことが明らかとなっている。ルイス・クラウジオ氏の企業「LFTマーケッティング・エスポルチーヴォ」は、M&Mが同年支払った150万レアルが賄賂に当たる可能性があるとして捜査対象となった。
 LFTには社員がおらず、給与も近年はほとんど支払われていないなど架空会社に近い。連邦検察庁は「そういう企業が受け取る額としては大きすぎる」とし、「大いに疑わしい」金の動きとの見解を示している。
 ルーラ前大統領は26日、三男の企業に捜査の手が及んだことで立腹し、連邦警察をコントロールすることが出来ないジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相を擁護しているジウマ大統領の責任だと批判した。また、ラヴァ・ジャットなどで報奨付証言を行っている人物は嘘つきで、連警は憲法を無視して職権を乱用しているとした。