ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事は、9月に廃校や生徒、教員の配置替えを含む、16年度の大幅なサンパウロ州公立校再編計画を発表したが、それに反対する連日の抗議に直面し、26日、当初の計画から幾分控えめな再編案を発表したと27日付伯字各紙が報じた。
エルマン・ヴォールヴァルドサンパウロ州教育局長が先月示した再編案では、大多数の学校は来年より、基礎教育前半(1~5年生)、基礎教育後半(6~9年生)、中等教育(高校)の義務教育3課程のいずれか一つだけを受け持つ事になり、3課程を受けられる学校はなくなるため、100~200万人の児童・生徒が転校を強いられると見られていた。
26日に発表された変更案は当初の計画より緩やかで、サンパウロ州公立校中、義務教育3過程の一つだけを担当する学校は全体の28%から43%に増えるが、6%の学校ではまだ3課程を受け持つ。転校を強いられる生徒・児童の数は31万人余りに減少した。
サンパウロ州政府は、今回の変更は再編案発表の時以来発生した、学生、家族、教師による抗議とは無関係であるとした。
5000以上ある州立公立校の内、94校は初等教育も中等教育も受け持たず、幼稚園、職業訓練校、成人者用学校に変わる。また、現在は活用されていない教室が2956あり、新しい生徒の受け入れに支障はないという。
サンパウロ州政府は現在通っている学校から1・5キロ以上離れた学校に転校を強いられることはないとしたが、各校が担当する課程はまだ明らかにしなかった。サンパウロ州公立校教師組合は自分達の意見が充分反映されていないとして、新たに抗議行動を起こす事を示唆した。
教育局は、臨時職の教師の雇用減少は起こりうるが、フルタイム勤務の教師の職は保障されると確約した。また、3課程の内1課程だけを担当する学校は、複数の課程を受け持つ学校に比べ、生徒の成績が22%良いという内部調査の結果も発表した。教育省も先に、複数の課程を持つ学校は運営が難しいとの調査結果を発表している。
エルマン・ヴォールヴァルドサンパウロ州教育局長は「時間と共に、この改革が教育の質を高めるために不可欠だという事が分かるはずだ」とし、抵抗する勢力に釘をさした。
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