来月の決選投票にもつれこんだアルゼンチンの大統領選挙だが、同時に行われた議会選挙で、対抗馬のマウリシオ・マクリ氏の野党勢力が伸長し、与党側の影響力が落ちていると27日付伯字紙が報じている。
今回の大統領選挙と並行して行われた議会選挙で、与党「勝利のための前進」やその母体となった正義党などの与党連合は、上院でこそ過半数(37人)を超える45人を保ったが、下院では11年選挙時の131議席を大きく割り込み、過半数(129人)割れの107人となった。
その一方、マクリ氏が所属する「共和提案」を中心とした野党連合「変革(カンビエモス)」は、下院での議席数を前回の64から92へと大幅に増やした。
与党のダニエル・シオリ候補(正義党)は決選投票に関し、「一次で敗れた候補には左派が多いから、彼らが支持してくれる」と自信を見せる。
だがそれも、長年、正義党の政敵だった中道左派の急進市民同盟が昨年、右派寄りの「変革」に加入したいきさつもあることから、連立的にも不透明な要素は強い。特に3位だったセルヒオ・マッサ氏は一次投票で21・34%を獲得。同氏の政党、刷新前線は下院でも31議席を得た。
ブエノス・アイレス州知事選では「変革」のマリア・エウへニア・ヴィダル氏が勝利。総人口の37%を占める同州では28年ぶりの正義党系候補敗北で波紋が広がっている。
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