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ポスターの前で記念撮影が行われた
ポスターの前で記念撮影が行われた

「被爆者のメッセージ受継ぐ」=広島・長崎原爆展開幕=母県訪問団が平和訴える

 広島文化センター(平崎靖之会長)、長崎県人会(栗崎邦彦会長)、ブラジル被爆者協会(森田隆会長)の3団体共催で『終戦70年記念広島・長崎原爆ポスター展』が24日からラテンアメリカ記念館内図書館(Av. Auro Soares de Moura Andrade, 664)で開催されている。初日に行われた記念式典には湯崎英彦広島県知事、松井一實広島市長をはじめとした多数の訪問団が参加。被爆者の意思を継ぐ県の代表者が、当地でも平和の尊さを訴えた。来月6日まで開催中。

 湯崎知事は会場を訪れた州立ヒロシマ学校の生徒約80人に語りかけるように「若い世代に原爆の悲惨さを知ってもらうことが重要。今回をきっかけに『二度と繰り返してはならない』ことを覚えて欲しい」と挨拶。
 同館のジョン・バチスタ・アンダーデ理事長は州を代表し、「日本は過去でなく、こういったポスター展等の活動を通して、未来を見据えている。平和に国境は無い」と州県を結ぶ活動に感謝を示した。
 広島市出身の中前隆博在聖総領事も「数十万人の被害があった広島は、今日活気ある町に復興している。遠く離れた当地でのこのような活動は大変意義深い」と思いを述べた。
 また平崎会長は「原爆の悲惨さを知って、平和を追求して欲しい」と開催の意義を語り、世界約7千の都市が加盟する「世界平和首長」の会長でもある松井市長は「被爆者のメッセージを受継いでいく」と今後、一層の平和活動を約束した。
 同市長にヒロシマ学校の生徒が作成した千羽鶴が生徒2人から手渡されると、大きな拍手が送られた。一行は展示会場へ移動し、代表者でテープカットを行った。
 広島、長崎両市が作成した30点のポスターには全てポ語解説が添えられ、また映像でも原爆の悲惨さが伝えられている。火傷の跡や焼け野原等、思わず目を覆いたくなるものが多くある中、来場者は一つひとつ足を止め見入っていた。




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 平和首長会議には今月1日現在で161カ国、6857都市が加盟している。82年に、当時の荒木武広島市長の呼びかけにより発足し、ここ10年で加盟国が倍増。日本では全市町村の9割近い1592都市、ブラジルでも101都市が加入している。なかでもサントス市は発足当初に加盟し、今年より周辺地域を管轄する「リーダー都市」に就任。来伯していた松井一實広島市長は「ポスター展」のテープカット後、サントスを訪問、関係者と懇談した。