下院の法規部門担当者らがジウマ大統領の罷免請求の合法性を認める意向を固めたことにより、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)が下院での罷免審議に傾く可能性が出てきたと、28日付伯字紙が報じている。
クーニャ議長は反ジウマ派の急先鋒と見られていたが、これまでに提案された大統領罷免請求は少なくとも11通~20通がお蔵入りとなったとされている。
これまでは、その理由は、同議長が自分で手を下すのではなく、請求をいったんお蔵入りさせた後、その処分に不満を抱いた議員たちが下院本会議で投票にかけ、3分の2以上の票を得て議案として復活させることを望んでいるためとされてきた。だが、その方法は最高裁から否定された。
クーニャ議長が大統領罷免請求をお蔵入りさせてきたのは、下院の法規部門がこれまでに提出された大統領罷免請求の合法性を認めてこなかったせいでもある。同部門は1992年のコーロル大統領罷免の際にも罷免請求の事前審査を行い、適正と判断したが、これ以降、同部門からの推薦は一切行われておらず、大統領罷免案が一度も審議にかけられないままで23年が過ぎた。
だが今回は、法学者のエリオ・ビクード氏ら3人が作成した罷免請求は全ての条件を満たしていると判断、その旨を記した意見書を今週中にクーニャ議長に送る意向だ。決め手となったのは、連邦会計検査院(TCU)が違法と判断した粉飾会計を現政権が15年度も行っているとの検察官の判断と、議会の承認なく支出できる経費の額を8億レアル増やす大統領令を複数回出したことだ。
野党側は当初、TCUが14年度の連邦政府会計を違法と判断した時点で大統領罷免請求を行ったが、14年度は現在の任期に該当しないため、現職の大統領の責任は問えない。ビクード氏らも一度は14年度の粉飾会計を理由として罷免請求を行ったが、15年度の会計上の責任を追及する内容に書き直して再提出した。
フォーリャ紙によると、クーニャ氏は27日の食事会で、大統領罷免請求を受諾し、下院で審議し始める方向に気持ちが傾いてきたことを表明したという。
同氏はラヴァ・ジャット作戦で収賄疑惑で起訴された上、スイスの秘密口座も発覚し、議長職を追われる危機に直面している。同氏は知人に「連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官が連邦政府の後押しで自分の辞任を勧告したら大統領罷免議案を進めたい」などと話しているという。
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