世界銀行が27日に発表した世界ビジネス環境ランキングで、ブラジルは189カ国中116位に甘んじたと28日付フォーリャ紙が報じた。
昨年発表のランキングでは111位だった。ブラジルの評価値は去年と同じだが、5カ国に追い抜かれ、順位は下がった。
調査は、ブラジルが下位に留まっている様々な要因を挙げた。
一例は「会社設立の容易さ」で、ブラジルは174位だった。ブラジルで起業するには11もの手続きが必要で、登記に平均83日かかるが、06年から10年連続でビジネス環境総合1位を誇るシンガポールでは手続きは三つで、登記にかかるのも平均2日半。2位のニュージーランドは必要な手続きはたった一つ、所要時間も1日のみだ。
「建築許可」の取得には平均425・7日かかり、169位だ。
税制に至っては178位で、ブラジル内の企業は納税の準備のために平均2600時間を費やしている。これは、ラテンアメリカ諸国の361時間、さらには経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の平均117時間を大きく上回っている。
今回発表の調査は、各国がビジネス環境を改善するため、いかに努力しているかに焦点を当てており、ブラジルは好意的な評価と批判的な評価の両方を得た。貿易における手続きを簡略化する貿易業務統合処理システム(Siscomex)に積極的な投資を行い、電化を進めたことは22位と高評価を受けたが、私有財の譲渡時の税が高額なことでは低評価を受けた。
世界銀行エコノミストのカウシク・バス氏はランキング発表時に、「現代の経済活動は一定の統制がなくては機能しないが、その統制に不備があったり、統制が厳しすぎたりしても上手く回らない」と語った。同氏によると、重要な事は中小企業の発展を妨げる規制を見つけ出し、それを緩和する事だという。
報告書では、ラ米諸国の半分以上は去年から今年にかけても、ビジネス環境において大きな改革が行われていない。ラ米諸国で一番ランクが高かったのはメキシコの38位、チリの48位、ペルーの50位だった。