29日、カナダのトロント警察がブラジル人サッカー選手2人を、婦女暴行の容疑で指名手配した。
指名手配されたのはルーカス・ピアソン(21)、アンドレイ・ダ・シウヴァ・ヴェントゥラ(22)の2選手で、いずれもこの7月、カナダで行われたパン・アメリカ選手権でセレソンのメンバーとして参加し、銅メダル獲得に貢献していた。
起訴状によると、両選手は7月25日夜、トロント市内のナイトクラブで被害者の女性(21)やその友人と出会い、女性を家まで送って行ったが、2選手は女性の家にあがりこみ、被害者が寝入った後に性的暴行を加えて逃走したという。
ルーカス・ピアソンはイングランドのチェルシーに所属するフォワードで、現在はイングランドのレディングにレンタル移籍してストライカーとして活躍中で、事件当日も、パン・アメリカでのパナマとの3位決定戦でゴールをあげていた。
一方、アンドレイもこの3位決定戦にはキーパーとして出場していた。アンドレイは当時、ブラジルのリオの名門ボタフォゴの一員だったが、その後、チームとの契約が切れ、現在は全国選手権4部のボタフォゴ・サンパウロ(リベイロン・プレット)所属となっている。指名手配となった時点では同選手との連絡は取れず、同チームもコメントを避けているが、チーム側はブラジルサッカー連盟(CBF)と連絡を取り、事実関係を確認する意向だ。
トロント警察のジョアンナ・ベアベン・デジャルジン捜査官は、2選手に関し、ピアソンに関してはトロントのあるオンタリオ州のみの管轄になるが、アンドレイに関してはカナダ全域の指名手配だという。
ピアソンは、トロントに戻れば逮捕されることになるが、イギリスに滞在する限りは逮捕されない。他方、アンドレイに関しては、カナダが身柄の引き渡しを希望するならば、ブラジル政府に対して請求を行わなければならない。
この件でピアソンの所属するチェルシーは既に弁護士を2人雇ってピアソンを擁護する構えだ。今回の指名手配に関し、ピアソンの父のアントニオ・カルロスさんはESPNの取材に「我々はカナダ当局から何の知らせも受けていなかった。全く馬鹿げているし、何かの間違いだ」と憤慨している。ピアソンも、自身とアンドレイの無罪を強く主張しているという。
パン・アメリカではこの7月にも、水球のキーパーだったタイ・マトスが同じく婦女暴行で起訴されている。この件に関してカナダ当局は身柄引き渡しを求めていない。
(29日付グローボエスポルテなどより)