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29日のPT党大会でのルーラ氏(Lula Marques/Agência PT)

ルーラ=一転してレヴィを擁護に=経済安定優先し財政調整支持=ジウマとの緊張関係ほぐす=18年大統領選やはり出馬?

 ルーラ前大統領は29日、ブラジリアで行われた労働者党(PT)の党大会に出席し、これまで批判的だったジョアキン・レヴィ財務相の批判を止め、ジウマ大統領に一任すると語った。30日付伯字紙が報じている。

 ルーラ前大統領はこれまで、レヴィ財務相に対し批判的な見方をし続けていた。それは社会政策費の支出まで切り詰める戦略が、PTの方針とは相容れないと見ていたためだ。ルーラ氏は今月15日にジウマ大統領に会った際、レヴィ財務相は「有効期限が近い」とまで語っていた。
 だが、この日、ルーラ氏は態度を変えた。党執行部の会合で、「ジウマ大統領が財政調整の必要を認め、それに取組むと決めた時点で、我々は、大統領選挙のときにやらないと約束したことを実際にはやらなければならなくなり、選挙公約をはたせないという大問題に直面した」と語った。
 ルーラ氏の見解は、野党側が糾弾してきた「ジウマ大統領は選挙公約を守っていない」という指摘に応じたものだと見られている。ジウマ氏も既に経済問題での失政を認める発言をしていたが、ルーラ氏もそれに続いたといえそうだ。
 また、この発言の背景には、15年の年頭から取組んでいる財政調整が進まないために、経済状況が安定しないことへの懸念もある。同氏は今回の演説で「国民はジウマが国を治めているという証拠を見たがっている。誰も、財政調整案についてもう半年も議論し続ける姿など見たがってはいない」と語った。
 ルーラ氏はレヴィ氏に関しても「党執行部は〃レヴィ、やめろ〃といっているが、私が大統領の時も(03~06年の財務相の)〃パロッシ、やめろ〃といっていた」と語り、擁護した。
 今回のルーラ氏の演説は、ジウマ大統領との緊迫した間柄を緩和する意味も持っていた。ルーラ氏は26日に行われた連邦警察の「ゼロテス作戦」で三男のルイス・クラウジオ氏が捜査を受けたことに関し、「連邦警察を抑える対策を講じていない」として、ジウマ大統領を批判していた。
 ラヴァ・ジャットで報奨付の供述を行っているフェルナンド・バイアノ被告が、ルーラ氏の親友の牧畜業者がルーラ氏の嫁の必要のために金を要求した件と、三男への捜査については、「うちにはまだ告発されていない息子が3人、孫が7人、妊娠中の嫁が1人いる。問題はいくらでもでっちあげられるぞ」と問題を茶化した。また、「仮に今回の告発の目的が将来的に予期されることを潰すことにあるのなら、向こう3年は袋叩きだな」との発言で、噂される自身の18年大統領選出馬をほのめかしつつ、「そうなっても生き延びるがね」と不敵に語った。