【既報関連】サンパウロ州政府が打ち出した州立校再編成案で、いくつかの矛盾が噴出し、州民の不満が募っていると29、30日付伯字各紙やサイトが報じた。
州政府は、州立校再編は、義務教育課程を3分割し、複数の課程を受け持つ学校を減らすことで教育レベルを高めるためと主張してきたが、28日に発表した閉鎖予定94校中、31校の基礎教育開発指数(Ideb)は教育省の目標を上回っている。教育レベルを上げるために、レベルが高い学校を閉鎖する理由は明らかにされていない。サンパウロ市では25校が閉鎖されるが、15校の同指数は目標値以上だ。
また、サンパウロ州政府は閉鎖されるのは主に各市中心部の学校だと表明していたが、サンパウロ市では、閉鎖される25校中、中心部の学校は9校に過ぎず、残りは周辺部の学校だ。
閉鎖校の他に、1464校が再編案の影響を受ける。各校が受け持っている教育課程が変更になり、31万人を超える生徒と、7万4千人の教員が学校を移ることを余儀なくされる。
これに反発する教師、生徒とその父兄は29日、州立校再編案への抗議デモを行った。デモはサンパウロ市中心部パウリスタ大通りのサンパウロ美術館の下の空間での集会で始まり、同大通りはデモ参加者で埋め尽くされた。
〃より良い教育を求める叫び〃と銘打ったデモには、主催のサンパウロ州立校教員組合(Aeoesp)や、公教育改善を求める諸組合、社会活動家、学生団体が参加。その後はレプブリカ公園の州教育局前までデモ行進をし、イピランガ大通りを埋め尽くしたが、8時頃、平和裏に解散した。
教員組合側はサイト上で州政府の改革案は〃空虚だ〃と批判し、学校によっては定員オーバーが起きたり、教職員の解雇にもつながったりするとの懸念を示している。次回の集会は、11月10日にサンパウロ市西部モルンビー区の州政庁前で開かれる。
マリア・イザベル・ノローニャ同組合会長は、28日発表の閉鎖校のリストは学校再編の目的は教育改善との州政府の言葉は「欺瞞」であることの証拠と判断。レアンドロ・デ・オリヴェイラ事務局長も「州政府は経費削減しか頭に無い。レベルの高い学校や閉鎖されたら転校が難しい周辺部の学校を閉める理由は見当たらない」と語った。
11月14日には全ての州立校で、学校と父兄との面談が行われる。