2日、16年度サンパウロ市市長選に関するはじめてのダッタフォーリャの世論調査の結果が公表され、前回選挙で3位のセウソ・ルッソマノ氏(ブラジル共和党・PRB)が34%の圧倒的な支持率を誇り、現職のフェルナンド・ハダジ市長(労働者党・PT)が12%で4位と苦戦していることが明らかとなった。3日付伯字紙が報じている。
10月28、29日に行われた調査で、ルッソマノ氏は、世代別、地域別、所得別、学歴別のいずれのケースでもほとんどトップの支持を得、しかも、2位の候補に2倍前後の差をつけ、圧倒的な人気の高さを見せつけている。
レコルデ局で番組司会を持っているルッソマノ氏は12年のサンパウロ市市長選の際も、投票日直前まで一番人気だったが、労働者党(PT)と民主社会党(PSDB)がルッソマノ氏とウニベルサル教会との結びつきの強さ、政治実績の薄さなどを攻撃するキャンペーンを行ったため、投票日に人気が急降下、3位になったいきさつがあった。
しかし、ルッソマノ氏は14年の下院議員選挙でも全国最多得票を獲得するなど、人気が根強いことを示していた。
2位につけたのは、PTを離れ、民主運動党(PMDB)から出馬することになった元サンパウロ市市長(2001~04年)のマルタ・スプリシー氏と、バンデイランテス局のニュース番組「ブラジル・ウルジェンテ」のキャスター、ジョゼ・ルイス・ダテナ氏(進歩党・PP)が共に13%で並んだ。
ハダジ市長は、ダッタフォーリャが同時に行った現状の市政の評価で、「よい」が15%しかない反面、「悪い」が49%になっていることが響き、12%だった。
同市長の場合、これまでのPT市長では珍しく、高学歴、高収入者からの支持が高く、16~24歳の若い層からも22%の支持を得たが、PTが地盤とし、主に市周辺部に多い「最低賃金の2~5倍の所得層」「基礎課程のみの学歴」の層はPTの先輩だったマルタ氏がハダジ氏を圧倒している。
また、2013年に、下院の人権委員会委員長をつとめながら、同性愛者への差別発言で物議を醸したマルコ・フェリシアーノ氏(キリスト教社会党・PSC)が4%で5位に入った。
また、サンパウロ州が伝統的に強い地盤ながらまだ候補者が明確になっていないPSDBは、有名企業家のジョアン・ドリア氏を候補にした場合が3%、サンパウロ市市会議員で企業家のアンドレア・マタラゾ氏が候補とした場合は4%の支持率(この場合のフェリシアーノ氏の支持率は5%)だった。