国連の気候変動枠組み条約事務局が10月30日、世界各国が公表した温室効果ガス削減目標を達成しても、今世紀末の世界の平均気温上昇を2度未満に抑える事は困難との見解を表明し、各国の更なる努力を促したと10月31日付伯字紙などが報じた。
地球温暖化防止のための新たな国際的な枠組みを決めるため、11月30日にパリで開かれる条約締約国会議を前に、10月1日までに提出された146カ国の温室効果ガス削減目標を集計した結果、18世紀の産業革命前と比べ、2100年の平均気温は2・7度上昇する恐れがあり、気温上昇を2度未満に抑えるとの目標達成は困難との見解が明らかにされた。
世界の平均気温が2度以上上がれば海面水位の上昇その他の深刻な影響は避けられないという認識は世界共通で、京都議定書が期限切れとなった後の新しい国際的な枠組み作りを目指しているのがパリ会議だ。
ブラジルの温室効果ガス削減目標は、9月27日に国連本部で開かれた持続可能な開発目標を議論する特別首脳会合(サミット)でジウマ大統領が発表した、2025年までに2005年比で37%減、2030年までには同43%減とするというものだ。この数字は30年までに05年比25・4%と32%削減といった日本や米国の目標より野心的と評価された。
だが、ブラジルの場合も、2012年時点で05年比41%減ったが、「経済成長のために必要」との理由で25年までの目標を37%に抑えた経緯がある。
自国経済を重視したい思惑は各国共通だが、2日には南極の氷が解けて海面水位が3メートル上昇する可能性を示唆するとの研究も公表されており、温暖化抑制のための取り組みの遅れが取り返しのつかない結果を招く前に最大限の努力をする事が求められている。
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