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妊娠中絶法案反対デモ発生=リオに引き続きサンパウロ市でも

 サンパウロ州中心部パウリスタ大通りで、合法中絶を困難にし、中絶薬の販売などを制限する連邦法案5069―13号に抗議するデモ活動を女性人権団体が行ったと10月31日付伯字各紙が報じた。
 同法案は強姦によって起きた、望まれない妊娠の合法中絶に警察への届出や法医学研究所での検査などを義務付け、被害者への経口避妊薬(アフターピル、ピルラ・ド・ジア・セギンテ)の提供や販売も禁じかねない。
 パウリスタ大通りのサイクリスト広場を出発したデモ隊は、セー広場に向かう途中も各所で寸劇を演じたり、太鼓を打ち鳴らしたり、シュプレヒコールを叫んだりした。
 「私達の身体は私達のもの、中絶合法化を!」と音楽に乗せて叫ぶ女性達は、同法案提唱者のエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主社会党・PSDB)を批判し、〃強姦の文化を倒せ!〃とのプラカードも掲げた。
 同法案は10月21日に下院憲政委員会で承認されており、下院本会議で承認後、上院での審議に移る。デモは午後6時から10時まで行われ、参加者は3~5千人(軍警発表、主催者発表は1万5千人)。パウリスタ大通りはパライーゾ方面車線が閉鎖された。
 「性犯罪の被害者は法的権利や医療措置への充分な情報も与えられず、強姦被害後の緊急避妊薬の利用さえ制限されかねない。一番苦しむのは黒人や貧困層の女性だ。この抗議活動で、おぞましい現状を打破しなくてはならない」と活動団体はFacebookページで表明している。