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ブンライ=自身の企業に疑惑浮上=BNDESから不正融資=踏み倒しで倒産依頼ある中=ルーラ政権時に栄華誇るも

 「ルーラ前大統領の疑惑の友人」としてラヴァ・ジャット作戦で名前が浮上し、話題となった牧畜企業家のジョゼ・カルロス・ブンライ氏の企業が、12年に社会経済開発銀行(BNDES)から1億レアルを超える不正融資を受けていた疑惑があると、1日付伯字紙が報じている。

 ブンライ氏はこの10月、ラヴァ・ジャットで報奨付証言をしている民主運動党(PMDB)のロビイスト、フェルナンド・バイアーノ被告から「ルーラ氏の嫁の不動産の支払いを目的に賄賂を要求した」「(ペトロブラス子会社の)セッテ・ブラジルとの疑惑の交渉の席にルーラ氏と共についた」などと告発され、一躍注目度が上がった人物だが、このたび、新たな疑惑が浮上している。
 それは、5社からなるブンライ氏の企業グループ、サンフェルナンド・グループ(SFG)が債務不履行で貸付不能の状態にある最中の12年7月、息子名義で、バガッソによる発電事業を行う「サンフェルナンド・エネルジア1(SFE)」が、BNDESから1億150万レアルの融資を受けた件だ。
 この融資が問題視されるのは、SFGの一つで南マット・グロッソ州でエタノール精製を行っている企業「サンフェルナンド・アスカール・エ・アルコール」が、その約半年前の11年11月に債権者から52万3千レアルの債務不履行を理由に倒産を求められていたからだ。ブンライ氏はブラジル随一の牧畜家として知られていたが、その後、エタノール関連事業に乗り出していた。
 結局、SFGは13年4月に民事再生法を申請し、その適用が認められたが、BNDESは今年の7月と8月に同グループからの返済が計画通りに履行されていないとして倒産請求を行った。また、SFEへの融資分を支払ったブラジル銀行も返済の遅れを理由に倒産請求を出している。SFGの負債額は、BNDESへの3億3千万レアルなど、計12億レアルに上っている。
 ブンライ氏は、02年の大統領選キャンペーン時に当時、南マット・グロッソ州知事だったジョゼ・オルシリオ・ミランダ・ドス・サントス(通称ゼッカ・ド・PT)氏から紹介され、ルーラ氏と懇意になった。ルーラ政権時には社会経済開発委員会のメンバーにも選ばれている。同氏の企業は全盛期を迎えた2008~09年頃、BNDESから、3億9520万レアルの直接融資を受けていた。
 SFGは現在、南マット・グロッソ州地裁の指名を受けた法務関係者によって運営されている。同社に対しては複数の倒産願いが上がっているため、これらの経営代行者たちは同州地裁に対し、経営状況を報告する義務を課されている。