ホーム | ビジネスニュース | ブラジル株式市場=今年一番の上げ幅記録=国外投資家の資金流入で=対ドル レアルも足並み揃え

ブラジル株式市場=今年一番の上げ幅記録=国外投資家の資金流入で=対ドル レアルも足並み揃え

 ブラジル人実業家のアビーリオ・ジニス氏がニューヨークで2日、「ブラジル株は今バーゲンセールだ」と語ったため。国外投資家がブラジル買いへの強い意思を見せ、翌3日のサンパウロ市証券取引所(Bovespa)の指数は昨年11月21日以来最大の上昇率を記録したと4日付伯字各紙が報じた。
 3日のBovespa指数は、4・8%上昇して4万8053・66ポイントとなり、4万9338・41ポイントだった10月9日以来、最大の水準に回復した。
 出来高は89億200万レアルで、今年に入ってからの平均65億ドルを大きく上回った。
 匿名の市場関係者は、化粧品業界と飲料業界で合併が起き、株価が動いたが、指数を4・8%押し上げるほどの「買い」は、国外投資家により入ったとしている。
 国外投資家による買い注文が入ったことで、多くの銘柄は大幅な伸びを記録した。ペトロブラス社(PB)は10%台、ナシオナル製鉄(CSN)は約17%値上がりした。
 PB株はこれまでも、国外原油価格の高騰と共に、株価を回復してきていた。「しかし、国外投資家の動きがなければこれほどの強い上昇はなかっただろう」と件の市場関係者は語る。
 3日の株式市場の主役の座を奪ったのは、化粧品部門がコティ社に買収される事が正式に決まり、20%も株価が上昇したイーペルマルカスだ。同社は第3四半期には33億レアルに達していた純負債を清算し、薬品部門に経営資源を集中させる猶予を得た。
 3日の為替市場は対レアル、ドル安で推移した。ブラジル中銀(BC)による5億ドル規模の市場介入と、イーペルマルカスが化粧品部門を外資に売却したことによる外貨流入への期待、下院で国外資産申告を義務付ける法律が承認となる見込みが出てきたことなどがレアル高を後押しし、最終的に、2・26%安の1ドル3・7725レアルで取引を終えた。
 BCが5億ドル規模の市場介入を行う事は10月30日に明言されており、3日のドル安傾向は同日朝からほぼ織り込み済みだった。