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経済危機=新興中流階級元の鞘に=330世帯がクラス落ちか

 コンサルタント会社のテンデンシアスが、2006~12年の好景気でCクラスに上がった人々が、Dクラスに逆戻りする可能性があるとの見解を明らかにしたと1日付エスタード紙が報じた。
 06~12年は国際的な金融危機に伴う景気後退期を含んでいるが、ブラジル経済は国内消費の過熱で比較的順調に成長し、330万世帯がD/EクラスからCクラスに移行したとされている。
 これらの人々は新興中流階級と呼ばれ、車や自宅、保健プランなどを入手し、食生活などにも変化が生じていたが、現在は、景気後退とそれに伴う失業やインフレ昂進、所得減などで購買力が殺がれ、クラス落ちさえ起こりうる状況だ。
 テンデンシアスによると、15~17年にD/Eクラスに転落する可能性があるのは310万世帯で、03~12年にCクラスに移行した人のほとんどが逆戻りとなる。
 同社では月収1958~4720レアルの世帯をCクラス、1957レアル以下をD/Eクラスとし、D/Eクラスは15年に150万世帯、16年に110万世帯、17年に45万4千世帯増えると予想している。
 コンサルタント会社のプラノCDEによると、景気後退の影響が最も大きいのは、半分が非正規雇用で、低学歴、非正規雇用故に景気の落ち込みを肌で感じ易い、貯蓄がない、求職のための人脈が少ないなどの特徴があるCクラスだという。
 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のミリアン・ルンド教授は、給与調整はインフレ以下という部門が増えてCクラスの購買力低下に拍車がかかり、失業者と就業者双方に負債増加などの影響が出ているという。
 専門家は今回の景気後退からの脱出は輸出回復などの外的要因が鍵で、景気回復後も、消費者の購買力の伸びは国内総生産(GDP)の伸びと同じ、年1・3%程度になると予想している。