5日午後1時、ローリング・ストーンズのブラジル・ツアーが正式に決まったが、これがサンパウロのサッカー・ファンの間で強い関心をひく話題となっている。
それは、ストーンズが会場として選んだのが、サンパウロFCの本拠地であるモルンビ・スタジアムだったためだ。当初の噂では、パルメイラスの本拠地アリアンツ・パルケになると、正式発表の数日前まで囁かれていたが、それが直前になって逆転したのだ。
実は、ストーンズの公演がどちらのスタジアムになるかの綱引きは、8月頃から話題になりはじめていた。
サンパウロでの国外からのアーティストのコンサートの老舗と言えば、古くからモルンビ・スタジアムだった。それは、サンパウロ市のサッカー・スタジアムの中では最も収容人数が大きく、6万7千人の収容が可能だからだ。
ところが昨年、パルメイラスが新スタジアムのアリアンツ・パルケをオープンさせてから、ほぼ独占に近かったモルンビでのスタジアム・コンサートは2分された状態になりつつある。
そのきっかけとなったのは14年11月に行われたポール・マッカートニーの公演の成功で、以来、ここではケイティ・ペリーやミューズなど、最近の人気アーティストが次々とコンサートを行っていた。
そんな両スタジアムにとって、ロックの王様、ストーンズのライブを開催することは、サンパウロのスタジアム・コンサートの盟主を争うことでもあったがため、争奪戦は発表直前まで延々と続く事態となった。
その気持ちはサッカー・ファンも同じだった。モルンビ・スタジアムでの開催決定との報を受け、サンパウロFCのファンたちはツイッターで喜びを爆発させた。
彼らは「アリアンツなんてケイティ・ペリーくらいがお似合いだ」「これまでも、これからも大きなショーはモルンビだ。こっちには伝統があるんだ」といったものから、「モルンビはストーンズ。一方、BNDES(社会経済開発銀行)に出資してもらったイタケラなんてせいぜい結婚式か犬のワクチン摂取会場だろ」と、音楽イベントを行わないコリンチャンスのイタケロン・スタジアムをからかうコメントまでを掲載した。
一方、パルメイラスのファンも「ストーンズがパルメイラスのことを知らなかったなんて」「あんな、世の終わりみたいなところにショーを見に行くなんて気の毒だ」「なによ、ただのコンサートじゃないの」など、ツイッターで悔しさをにじませていた。
こうしたサッカー・ファンの勝気な性分が、サンパウロでのコンサート興行ビジネスを活性化させることに期待したいものだ。(5日付UOLサイトなどより)
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